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●『FUNKY NOTHINGNESS』予約
うは 煩わしとも まず笑う 醜き憎み 煮抜きは黄身や」、「君の顔 気味が悪いよ 黄味過ぎて 黄疸かもね 補導されるよ」、「されるより するほうが好き いじめっ子 強き相手と にらめっこする」、「マリメッコ 真似て大きな 花が咲き 吾が本物 何を言うかと」
先月25日にザッパ・ファミリーからザッパの新譜についてのメールがあった。今日の投稿のGIF画像は先月25日のメールについていたものだ。昔はザッパ・ファミリーが運営するサイトでしか新譜が買えない時期があったが、ザッパ・ファミリーが大手のユニヴァーサル・ミュージックと契約し、また全録音と映像を同社に売却してからはザッパの新譜がアマゾンで買えるようになった。筆者は日本のアマゾンで予約が始まるのを待つが、先月25日から2週間ほど経った今日、アマゾンで予約が始まり、早速申し込んだ。CD3枚組で予約価格は7130円、7月11日から13日までの間に到着する予定だ。LPレコードも発売されるが、それでしか収録されない曲がない限り、筆者は基本的には買わない。アルバム名『FUNKY NOTHINGNESS』はザッパが録音テープの箱に記したものか、あるいは演奏メンバーに語った言葉だろう。1970年2,3月にロサンゼルスのレコード・プラント・スタジオで録音された音源で、演奏メンバーはザッパ以外にイアン・アンダーウッド、ドン・シュガーケイン・ハリス、マックス・ベネット、そしてエインズリー・ダンバーで、音は『HOT RATS』とフロ・アンド・エディのヴォーカルを抜いた『チャンガの復讐』との中間を思えばよい。この5人のメンバーからシュガーケイン・ハリスを除いた4人の演奏として、ドゥイージルがテープを見つけて2004年にアルバム化した『クォーディオフィラリック』に収録される「地下室のチャンガ」がある。同曲はアルバム名が示すようにフォー・チャンネル仕様で、5.1サラウンド・システムで聴けば4人の演奏が独立して聞える。筆者は自前の同システムの波動スピーカーで数回聴いたが、地下室の中央に座って四方の隅から各人の演奏を聴く状態でそれなりに感動した。ザッパは70年代初頭の4チャンネル録音に可能性を見たようで、自作アルバムをステレオ盤とは別に発売したが、やがて4チャンネル・システムは世間から飽きられた。『クォーディオフィラリック』はドゥイージルには斬新であったのだろうが、さほど評判にならず、売れ行きも鈍かったのではないか。『FUNKY NOTHINGNESS』が何を意味するかとなれば、シュガーケイン・ハリスがいるので黒人音楽のファンキーさがないことはないはずで、この場合の「ファンキー」は本来の意味の「臆病な」と捉え、演奏に当たってザッパがメンバーに伝えた「ひるむことはなしだからな」といった言葉ではないか。その言葉の相手を絞ると、初参加のドラマーのエインズリー・ダンバーではないだろうか。
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# by uuuzen | 2023-05-10 23:59 | ●ザッパ新譜紹介など
●「弟が いればあげるよ おっとっと ふたりで叫び 気に入り選ぶ」
き過ぎて 皮膚のただれの 若き夏 黄色でよかれ 白なら皮膚癌」、「焼き加減 計算づくの おっとっと たまには混じる 出来そこないは」、「また出たね 新シリーズの おっとっと 2箱買って 種類を並べ」、「百円で 買えぬよごめん おっとっと 安く買うには ミニ袋入り」
●「弟が いればあげるよ おっとっと ふたりで叫び 気に入り選ぶ」_b0419387_01324222.jpg
森永成果のスナック菓子『おっとっと』は筆者の知る限り、スーパー3、4軒に1軒ほどしか売っておらず、しかも売られていない月のほうが圧倒的に多い。それで新シリーズを見かければ買うことにしているが、スーパーによって価格はわずかに異なり、少し高いかと思えば別のスーパーで探す。ところが前述のように商品を見かける機会は少ない。それに今回気づいたが、どの店でも似た価格で、また一箱百円では買えない。消費税のために数円は超える。お小遣いに100円玉をもらう子どもは買えないのでどうにかならないかと思うが、消費税は一律であるので、子ども用のお菓子だけ割り引くことはない。『おっとっと』は箱入り以外に袋入りもある。これは小さな袋が縦方向に7,8個つながった状態で売られ、一袋ずつ切り離すことが出来る。小学生向きというより、数歳の幼児向きだろう。またその小さな袋をたくさん詰め込んだ横長の大きな袋もあって、同様の販売方法は他の菓子や他のメーカーの有名商品でも行なわれている。筆者が買う『おっとっと』は新たに見かけたシリーズに限るが、ひょっとすれば今回の商品はこれまで投稿して来たものとだぶっているかという気がしないでもない。早速調べると思い過ごしで、以前売られたシリーズの再販ではなく、定期的に新たな種類を組み合わせ、そのたびにパッケージのイラストも変えている。ただし必ず2種類の箱が用意される。それで筆者はいつもイラストが異なる2種を買い、中に入っている計4袋を調べて箱側面のイラストにある動物が全部そろっているかどうかを確認する。それはなかなか面倒で、買った箱をすぐには開けない。ところが開けて調べ始めると興に乗り、一部が欠けているものを口に放り込みながら次々に選り分ける。1袋目を調べる時間は4袋目の倍は要する。4袋目となると動物の型を覚えているので、型はすぐに見分けがつく。今回は緑と黄色で塗り分けられたパッケージをまず見つけたが「コンソメ味」の表示が目に入り、その日は買わなかった。1週間ほどして今度はいつもの赤い箱の「うすしお味」を別の店で見つけ、2種類を買った。それで満足すればいいのに、また別の店で「コンソメ味」を見つけ、買うことにした。箱の側面の賞味期限を見ると「コンソメ味」は6月、赤箱は10月になっている。「コンソメ味」が先に売られたであろう。これは「ありがとう40周年」の表示がイラストの上部にあって、赤箱ではそれがちょうど1年前にあったことが筆者の投稿からわかる。となれば賞味期限の印字が製造日から何か月先かによるが、今回の「コンソメ味」はかなり古い商品か。
●「弟が いればあげるよ おっとっと ふたりで叫び 気に入り選ぶ」_b0419387_01330211.jpg
 「コンソメ味」は「陸の動物ずかん」と題し、2種類の箱を西日本版と東日本版に分けている。これは中に入っている菓子の動物の種類を東西に分けているのではく、箱のイラストを東西の動物園に飼われる動物から選んで描き分けている。箱の側面はいちおう東西の動物から選んだ8種の菓子の写真をそれぞれ載せているが、その下に「いつものなかまたち全13種 ぜんぶで29種類」の表示があって、東日本版を買っても西日本の動物が含まれ、その逆も言える。それはともかく29種類はかなり多く、2箱を買ってその全種が入っていることは考えにくい。そう思いながら4袋を次々に破って調べると、今日の最初の写真が示すように、左の皿の「いつものなかま」は13種が揃っているものの、「全部で29種」から13を差し引いた16種の右の皿に並べた「陸の動物」は、最上段の右から2番目と2段目の右端の2種が含まれていなかった。箱側面の写真からそれが東日本の足立区生物園の「ヘラクレスオオカブト」と東武動物園の「マレーバク」であることがわかる。なお筆者は右皿の動物を縦半分に分け、左が西日本、右を東日本としたが、結果として東日本の2種が得られなかった。次に赤箱は「今回は最強のいきもの大集合」と銘打たれ、学研の図鑑と提携している。「いつもの仲間」は10種、「最強のいきもの」は11種で、写りが悪いが3枚目の写真が示すように全部揃っていた。「コンソメ味」では「いつもの仲間」は野菜やそれを育てる道具、あひるやうさぎが選ばれているのに対し、「うすしお味」ではすべて海の動物となっている。どちらの「いつもの仲間」も完成度が高く、筆者は特に前者では三連の瓢箪のような形をしたエンドウマメ、後者ではイカを好む。この1種のみ入っている商品を販売してもよいと思うほどで、その場合、「おっとっと エンドウマメの マメなこと」、「おっとっと いかにもイカは いかものぞ」といった洒落の副題をつけてほしい。今ネット検索で知ったが、『おっとっと』にはエンドウマメを使った袋入り商品があるらしい。菓子の型は「いつもの仲間」を使い、それらをふっくらと膨らますことなく、堅焼きにして二次元になっている。その箱入りがあれば買うのだが、筆者は袋入りまでは手を出さないことにしている。新シリーズごとに「いつもの仲間」とは違って複雑な型の動物を採用しているが、どれもその複雑さは面白いものの、名前の表示と見比べなければ何の動物を象ったかはわかりにくい。そのために完成度は高くならない。またこれら複雑な型は焼く過程で破損しやすいのではないだろうか。とはいえ小さな菓子をひとつずつ検査することは無理で、製造工程で割れないぎりぎりを狙って型の複雑さを考えているだろう。またある動物に似ていなくても、それはそれで購入者は文句をひとりごとしながら楽しめる。
●「弟が いればあげるよ おっとっと ふたりで叫び 気に入り選ぶ」_b0419387_01332133.jpg 次々に新型を作り、もうアイデアは枯渇したと思うが、そうなれば元に戻って「いつもの仲間たち」ばかりの商品を売ればよい。あるいは前述のように1種のみでも面白い。筆者がエンドウマメやイカを好むのはつまみやすいからだ。それを言えばどれもそうだが、特につまんだ時になぜか愉快なのが細長い形で、まあこれは筆者に限るかもしれない。今思いついたが、エンドウマメとイカを形はそのままで10倍ほど大きくしたものを作ればどうか。バリバリと噛み応えがあり、おかきファンには喜ばれるのではないか。おかきやあられ、カステラやどら焼きなどは形の面白さを追求せず、味が勝負だ。形の面白さを狙った菓子は『おっとっと』より古くからあるが、筆者の世代ではあまり馴染みのないグミはさまざまなものを象って視覚の楽しさを追求出来る。焼き菓子は「ゆるキャラ」と同じく全体が丸味を帯び、それが子ども向きの印象を与えやすい。『コアラのマーチ』もそうなっている。そこでは外形はすべて同じで、表面に印刷されるイラストで新シリーズが作られている。同商品が売られ始めた80年代の終わり頃、筆者はその新シリーズを追っていたが、あまりに多くなっていつの間にか興味を失った。その頃のそうした「収集癖」が数年前に『おっとっと』を見かけた時に蘇った。ただし、これもいつまで関心があるかはわからない。『おっとっと』の菓子が好みであれば新シリーズでなくても買うが、筆者は種類を調べた後は菓子にほとんど興味がない。家内は塩味のおかきやせんべい、ポテトチップを好むが、筆者は甘い菓子が好きで、『おっとっと』に砂糖をまぶしたものがあればと思う。その点筆者が小学生の低学年の頃、動物ビスケットは表側にパステルカラーで甘味をコーティングしていた。以前に何度か書いたように、一袋に含まれる全種を調べ、それらを並べて眺める楽しみを筆者は動物ビスケットによって10歳頃に知った。網羅の仕方にも奧深さがある。何を選んで何を除外するかは『おっとっと』でも行なわれている。そこでメンデレーエフが異なる元素を並べ、その表で空白になっている箇所に必ず未発見の元素があると考えた時、すべてを洩れなく網羅出来ることに神の秘密をついに知ったと思って狂喜したのではないだろうか。リンネが植物を網羅し、分類したことは現在も活用されているが、植物の世界は複雑で、ある分類に必ず当てはまるとは限らない。メンデレーエフに強く感化されたロジェ・カイヨワの遊びの分類にもそうしたところがあるだろう。それはともかく、男は集めて分類することが女性以上に好むと見え、女は男にありがちな収集癖を子どもじみていると思うだろう。女は男性経験の記憶を上書きし、男は女性経験を並べて記憶すると言われるが、言い変えれば女は前向き、男は後ろ向きの癖が強いことになる。それが正しいかどうかを研究対象にするのは、網羅分析が好きな男だろう。
●「弟が いればあげるよ おっとっと ふたりで叫び 気に入り選ぶ」_b0419387_01333657.jpg

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# by uuuzen | 2023-05-09 23:59 | ●新・嵐山だより
●「梅の実の 七八落ちて 曇り空 まだ小さき実 摘む日を迷い」
より 柏餅かな 子どもには 親も嬉や 端午の節句」、「背伸びして あちらこちらの 青梅を 摘めば雨露 顔にかかりて」、「梅酒より 梅干し漬ける 値上げの世 毎日ひとつ おかずにしよう」、「ひと月も 摘むのが早し 小梅かな 待てば大きく 育って落ちて」●「梅の実の 七八落ちて 曇り空 まだ小さき実 摘む日を迷い」_b0419387_01002773.jpg 今朝10時過ぎ、裏庭で雀に古米を与えた後、用水路が干上がっていることに気づいた。大雨の予想に際して上流の水門堰が閉められたからだ。年に何度かそういうことがある。渇水期の2月に締め切られることもあって、それに気づけば裏庭の特に合歓木の枝の剪定を行なう。枝の半分ほどは伐った直後に鋸で手元にたぐり寄せ、それを隣家の裏庭に放り投げる。枝の長さは長い場合は4メートルほどある。たぐり寄せられないもう半分は用水路に落ち、水嵩が多ければ下流に流れて行く。長さ数メートルあるので下流のどこかで引っかかる場合があるが、その割合は5本に1本ほどだ。残り4本は筆者が探せない下流へと消え、罪悪感を覚える。今年2月は枝を10数本伐り、流れた数本は下流300メートルほどまで探したが、1本だけ回収した。それはともかく、2月に上流の水門が閉められると水深は5センチほどとなり、その状態に気づけばたいてい合歓木の枝払いに取りかかる。そして水路に落ちた枝や葉を回収しながら、上流から多量の水が流れて来ないかと心配するが、一度も流れて来たことはない。2月に合歓木の枝払いを4回ほど行ない、その疲れが原因でひどい発疹が筆者に出たと家内は言う。半ばは当たっているだろう。枝払いは用水路の底から5,6メートル上の幹の又に跨ったままのことだ。その状態で長さ3メートルの鉄パイプの竿の先に取りつけた鋸が届くか届かない遠い箇所をもっぱらギコギコとやるので、体の向きを変に強制したまま腕に力を入れる。普段使わない筋肉を動かすので、自分では気づかないが疲れが溜まる。年々体は衰えるので、来年はまたひどい発疹に見舞われるかもしれない。発疹の免疫がつくかどうかだが、ついても体力が衰えて行くので毎年発疹が出る可能性が高い。今日の最初の写真は梅の実を収穫する前に用水路に降り立って撮った。2枚目は梅の木を見上げた。これは白梅で、同じほど成長しているすぐ隣り合う紅梅には実は2,3個しか出来ない。本当は収穫は6月がよい。1か月先であれば2,3倍の大きくなる。ただし熟れて用水路に大半が落下する。青梅状態でも落ちることはよくあって、毎年たぶん3割は下流に流れ去る。背伸びしつつ傘の柄で枝を手繰り寄せながら実を摘むが、その作業中にもボトボトと水路に落ちる。それでも最低2キロは収穫出来る。梅酒は去年漬けたので今年は梅干しにする。毎年交互だ。ほとんど種だけの小さな梅干しになるが、ないよりはいい。自分で植えた梅の木であるから、果実を見殺しには出来ない。とはいえ筆者はあまり梅酒を好まず、梅酒の瓶は増える一方だ。10年ほど放置しようか。
●「梅の実の 七八落ちて 曇り空 まだ小さき実 摘む日を迷い」_b0419387_01004765.jpg

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# by uuuzen | 2023-05-08 23:59 | ●新・嵐山だより
●「牡丹死に 接ぎ木の土台 残りしや 十年を経て 芍薬が咲き」
者の顔 描いてぐしゃり 踏みつけて 愛国言うな 憂国を聴け」、「Iの国 YOUの国とは 違えども 愛を憂いて ともに信ずる」、「草花や そうかお前も 生きたしか 摘まれ踏まれて すぐに消えるも」、「この時が 花であること 後で知る 生きる意味とは 笑みとの出会い」、「パラボラの 花弁広げて 熱集め 虫は無視せず 匂いに向かい」●「牡丹死に 接ぎ木の土台 残りしや 十年を経て 芍薬が咲き」_b0419387_22392795.jpg 今日の写真は今日撮った。昨日裏庭で芍薬が咲いた。2006年1月に島根の大根島で買った牡丹の2本の苗木の白はうまく成長し、毎年大輪の花を12ほど咲かせるようになったのに、赤は確か2、3年で枯れた。真っ赤ではなく、今日の写真のような桃色と呼ぶにふさわしい品種だ。枯れた赤牡丹を放置していると、完全に死んだのではなく、毎年芽が出て来た。牡丹は芍薬の苗木に接ぎ木して育てるのが普通だ。その接ぎ木した部分が枯れ、元の部分は生き残った。それを掘り起こして植木鉢に戻し、放置していた。毎年わずかに成長し、去年の春は花をつけるかと思うほどに元気さが見えた。今年はもっと葉が勢いよく伸び、ついに蕾を5,6個つけた。さてどんな色の花か。赤牡丹であったので当然赤だろう。少し大きくなった蕾の下の方がほんのり赤味を帯び、想像が正しいことがわかった。市販の切り花に比べてかなり小さな花だが、10年ほど放置して開花するとは、その生へのしぶとき執着に驚くほかない。先日植木の仕事に8年従事していた人に訊くと、芍薬の鉢植えはうまく育たないとのことで、それはやはり10年近くは要するとの意味だろう。それにしてもよかった。諦めずに10年見守り続けた結果、牡丹ではなく、元の姿の芍薬が咲いた。これを台木にしてまた牡丹の苗を接ぎ木するといいのだろうが、白牡丹のすぐ際にこの背丈の低い桃色の芍薬が座り込んでいる姿もなかなかよい。庭の片隅に昔鉄砲百合を植えた。それは球根を買えば必ず咲く。わが狭き裏庭が牡丹の次に芍薬、そして百合と、さまざまな美女のお出ましとなる様子を思うと楽しい。この芍薬を地植えしてやりたいが、合歓木や椿、ぐみ、藤など高さ数メートルの木が植わり、地面に空きがほとんどない。どうでもいいような灌木を切れば空間は確保出来るが、そうした植物も長年の付き合いで処分する気になれない。そのことが筆者の蔵書やCDがたまり続ける一方である理由でもある。筆者が死んだ後、それらが散らばり、またゴミになることを想像するのはとてもつらい。それで今この瞬間が愛おしい。二三度しか会っていなくても強く印象に残る人がある。そんな人のことをたまに思い出すとまた会いたくなるが、会わなくても思い出だけで充分かと思い直す。会っても以前と同じ感情にはならない可能性もある。それはともかく、密度の濃い時間を味わうのに花や芸術がある。ああ、それにしてもよかった。枯れ死せずにようやく花を咲かせてくれた。10年ほど粘り強く見守った甲斐がある。
●「牡丹死に 接ぎ木の土台 残りしや 十年を経て 芍薬が咲き」_b0419387_22394707.jpg

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# by uuuzen | 2023-05-07 23:59 | ●新・嵐山だより
●ムーンゴッタ(雨で見えず)・2023年5月
出の 労苦楽しむ ゆとりとは 湯を取られても 水あればよし」、「傷治る 不思議さに神 思う吾 いずれ死神 来たるも不思議」、「満ち足りた 気分ほしさに 満月を ひとりで見つめ 花の字思う」、「雲間から 覗く月待ち 夜霧過ぎ くしゃみ三回 忍び逢いなし」
●ムーンゴッタ(雨で見えず)・2023年5月_b0419387_01091507.jpg
予想どおりに今夜はすっかり曇天で満月が見えない。それで昨夜撮っておいたものを載せる。雲の間から出て来るのを数分待った。今夜のような空ではいくら待っても見えないことがわかっているし、今にも雨が降りそうだ。そんな時は諦める。諦めるか待ち続けるかの判断は雲の量による。待っても無駄かどうかを決めるのは動物も同じで、執着し過ぎては時間の無駄とばかりに断念して次の行動に移る。これは人間の男女の仲でも言えるが、時に執着のあまり、人生の終着駅に着くことを厭わない者がいる。みっともないとわかっていながら、どうしようもないとの気持ちはわかるが、やはり冷静になればみっともない。久坂葉子が自殺した原因は恋愛相手から冷たくされたことがひとつだろう。相手の男が久坂から死の間際に書いた手紙を受け取れば、もはや仲直りの不可能な自殺に腹をくくった彼女に対して後ろめたさや敗北感しか思い浮かばず、久坂の自殺が生涯抜けない棘のように刺さったままになることは容易に想像出来る。自殺に追い込んだ男が悪いかもしれないが、自殺によって勝利を得たかのような久坂もそうとう意地が悪い。富士正晴はそのようには書かないが、男優の立場になれば同じ男としてそのように久坂を捉えてみることをしたはずだ。自殺する者は悲劇を抱え込んでいるが、自殺された恋愛相手も同じような、そしてもっと長い年月の悲しみを抱く。そこで男は相手が平気で相手を次々に変える蓮っ葉な女であると思うようにして自分の責任を軽く見るようにする場合があるが、久坂の最後の恋愛相手になった男優は、その意味で久坂のキスが女郎のようだといったようなひどい言葉を投げたのかもしれない。だが男女の仲はさまざまで、男の辛辣な言葉は久坂がそういう辱めの言葉を好むと直感したからかもしれず、表に出ている手紙だけは実際のところはわからない。それでも久坂が予想して書いたように久坂の死は1週間で忘却され、そのように他人の死をいつまでも覚えていないのは、生きていかねばならない動物では当然のことだ。強烈な印象を抱いた対象をたまに思い出すという存在にして記憶の中に仕舞い込む。そしてたまに思い出してもそれだけのことで、去った者にはそのことがわからない。だが死んだ者にはそれはどうでもいいことで、久坂のように本を出したかった者は作品の評価を後世に委ねつつ、また少しの自負はあった。その死後の名声を思うことは鶴見俊輔が書くように「非常に多くの名誉心」のゆえかもしれないが、「底をつらぬく勇気を感じさせる」ことは確かだ。今日は久坂以外のことも書く。
●ムーンゴッタ(雨で見えず)・2023年5月_b0419387_01140652.jpg 2枚目の写真は先日触れた御物『伊都内親王願文』から集字した「花満月」の三字だ。インタヴューや記事などをよく部分を切り取りし、そしてつなぎ合わせて記事にすることが曲解につながるとして反対する人がある。『伊都…』の一部を抜き取り、他の部分と合成した「花満月」の三字は、橘逸勢がその三字のみ書けば、おそらく字の大きさも含めてそのようには書かなかった。三字は長い文章における抑揚の中でそれぞれにそのように書かれたもので、その長文における抑揚を無視して三字を抽出して組み合わせてもそこには逸勢らしさは幾分減じているはずだ。そのことは『伊都…』に何度か書かれる「大」の文字を見てもわかる。そのどれもが違う。活字では同じ字は同じ形になるが、手書きでは毎回わずかに異なる。それは文章の中に占める位置や前後の文字の相互干渉によるが、そういう筆跡のリズムを臨書で学ぶところに楽しみがある。それを経て逸勢の個性を把握し、その後にたとえば「花満月」の三字を書けば、それは逸勢の魂が少しは乗り移ったような作品になり得るし、またそれは今日の2枚目の集字とはかなり違うものになるであろう。つまりこの「花満月」をひたすら臨書しても逸勢らしい作は望めず、『伊都…』の全文を何度も臨書することが大切だ。そう考えると筆者がしばしばある文章の引用を行なうことは誤解を与える可能性が大だ。それを承知で先ほど思い出したが、鶴見が久坂の詩『月ともののみ』を古典的な完成に達していると評価したことに対する筆者の考えを先日書き忘れたので、次にその詩について説明する。当時久坂は17歳。以下全文。「その人は/桃のかわをスーッとむきました。/なかから/感傷的な(センチメンタル)なおじょうさんの/ボーッとほほをあからめたような/果肉(み)が出て来ました。/それは甘くって、やわらかでした。//その人は/しずかに、ちっとも音をさせないで、/桃の実をたべました。/萩むらに月がゆれてる頃でした。」ザッパの初期の曲の歌詞「DUKE OF PRUNES」はこれをもっと過激かつ滑稽にした表現だが、久坂のこの詩が暗喩するものは誰しも思うように、「その人」が「おじょうさん」より年配の男で、「おじょうさん」がセックスの対象として受け入れられる落ち着きと知性を持っていることがよく伝わる。「桃」と「萩むらに月」であるので8月がふさわしいが、この詩は6月18日に書かれた。梅雨の夜のねっとりさと蒸れた桃の甘さがよく伝わる。性への目覚めを越えて期待が読み取れもするが、年齢を考えれば至って健康だ。しかし17歳の女性がこれほどの詩を書くことは稀であろう。「月ともののみ」の題名は、月が「その人」が桃の果肉を頬張る様子を照らす様子に焦点を絞ったもので、「おじょうさん」の「甘くって、やわらか」な「果肉」をことさら思い浮かべる必要はないが、桃の実の割れ目は誰でも尻のそれを連想する。
●ムーンゴッタ(雨で見えず)・2023年5月_b0419387_01101978.jpg
 3枚目の写真は一昨日、嵯峨に買い物に行く途中で見た中ノ島公園の鵜屋の壁面に貼られた抗議文だ。全部で5,6枚あった。写真右奥が渡月橋南詰めで、観光客は誰もこの貼り紙に注目していないようであった。3日の夜、「風風の湯」で家内が85Mさんの奧さんからこの貼り紙について耳にした。早速翌日見たところ、昨日剥がされたようだ。ところで去年9月、毎日放送の「報道情報局」からツイッターにダイレクト・メールがあった。それに気づいたのが今年2月で早速返事を送った。返答の中に「嵐山の鵜小屋は景観上好ましくない」とあって、筆者は初めてそういうものかと思った。鵜屋の完成後、コロナ禍があって、開店休業状態と思っていたところ、実はそうでもなさそうであることが抗議文から知った。鵜屋は竣工時のままで、周囲に雑草が茂っている。内部も同様だろう。どういう経緯でこの鵜屋が出来たのか知らないが、抗議文の最初の問い「鵜飼文化を振興する為に作ったものなら何故廃墟にしたのか?」はコロナ禍の終息が曖昧になっている現在、「廃墟」は言い過ぎと思う。二番目の「なぜ誰も責任を取らず3年間も放置しているのか?」もコロナ禍がひとまず理由になる。三番目「作った本当の目的は?」は、その下のA以降に書かれるが、他の貼り紙と合わせて秋篠宮への抗議が主体だ。週刊誌その他に書かれるように秋篠宮への批判は近年目立つ。筆者は無関心だが、この抗議文を読むとさまざまなところで皇族が関係しているようで、また皇族を利用する人々がいることがわかる。それはさておき、この鵜屋が無用の長物すなわち本物の廃墟となってやがて取り壊されるのか、あるいはいつか鵜の姿が見られるのかは知らないが、筆者は後者であってほしい。話は変わる。今月1日から「風風の湯」が100円値上げになった。10年ぶりの値上げだが、これまでに種々のサービスは次第になくなって来ている。物価の値上げが進行中で、筆者は去年から100円程度の値上げは予測した。値上げ告知から2週間ほど経った先月中旬、筆者はマネージャーに向けてちょうど原稿用紙2枚分の匿名手紙を書き、フロントの若い女性に手わたした。筆者の思いが通ずるかどうかわからないが、内容をまとめれば常連には特別のサービスがあってよく、一見の外国人観光客からは倍額を徴収してもいいのではないというものだ。この値上げによって週に一度利用するセミ常連客の幾分かはもう来なくなる気がする。彼らはだいたい大金持ちだが、そういう人ほど50円ほどの値上げであってもひどく気にし、気分を害されたと思う。そうであるから金持ちになる。同じようなことはヘッセの『車輪の下』にも書かれる。筆者の手紙が暖簾に腕押しであれば、また手紙を書くつもりでいる。それはいいとして、ボイラーの故障か、2日前は湯の温度は37度ほどで、風邪を引きそうであった。値上げしてそれでは客は逃げる。
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# by uuuzen | 2023-05-06 23:59 | ●新・嵐山だより(シリーズ編)

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