 ●当分の間、去年の空白日に投稿します。最新の投稿は右欄メニュー最上部「最新投稿を表示する」かここをクリックしてください。
|
|
2008年09月10日●第 41 話
マニマンは久しぶりに早く起きました。毎年この日は朝から出かける用事があるのです。天気はよく、2、3日前までの心地よい秋風のそよぎはなく、32度の真夏の気温です。マニマンは炎天下を汗びっしょりになりながら、去年も歩いた同じ殺風景な地区を、今年は違うルートで行きました。大きなダンプ・カーがよく通る広い道の歩道を徒歩徒歩歩いていると、地面に文字が裏向けで書かれている光景に出くわしました。立ち止まってよく見ると、UKI書きではありません。地面に映った影です。すぐに首を上げて頭上を見ると、そこは弁当屋さんで、網製の横断幕に宣伝文句の文字がアップリケのように貼りつけられているのです。かなり長い横断幕で、その影もカメラに全部収まりません。それでマニマンは、最後の「弁当あります」、いや「すまりあ当弁」と読める部分だけを収めました。そうすると、当分の間は空腹を覚えず、澄ました顔で歩けるような気がしたのです。でも、最初の目的地でさえもまだ先で、それが終わればまた別の場所に行かねばなりません。マニマンは内心『炎天下、ええって言うんか』と言ってみました。
|
|
|
|