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2008年08月29日●第 29 話
マニマンはママーニと一緒に美術館に行きました。帰り道にはきれいな水が流れる川沿いを歩きますが、マニマンはいつも左岸を下ります。途中で欄干のない小さく幅の狭い橋をわたるスリルが楽しいからです。ところが、ママーニはそれがいやでいつもそのまま右岸を歩きます。今日もそうでした。川をはさんでマニマンとママーニは左右に分かれて同じ方向に下っていると、急にママーニが立ち止まって誰かと話を始めたのが見えました。橋をわたって右岸に着いたマニマンは、ママーニから100メートルほど離れた岸べりでじっと待ちました。20分以上も経って、ようやくママーニは話をやめてマニマンのところにやって来ました。ママーニの話相手は昔、勤めていた時の知り合いでした。マニマンは待つ間、川を覗き込んでいました。藻が生い茂ってゆらゆら揺れていました。ふとUKIを感じて凝視すると、1匹の小さな赤い魚が流れに逆らって、藻の中を見え隠れしながら泳いでいます。ギョッ! 金魚です。誰かが夏の夜店で得たものを放ったのでしょう。大きくなってくれればいいですが、小川に住む鷺や鴨の餌になりそうです。
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