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2008年08月22日●第 22 話
マニマンの家の近所に白い芙蓉の花が浮揚しています。通りから少しくぼんだ場所なので、ほとんど誰も気づかないはずです。でも、ひっそりではあっても、そしてニンゲンに不要ではあっても、花は咲きます。これはニンゲンでも同じでしょう。マニマンは白い大きな花が好きです。そして、肉厚の花弁より、1日で咲いてしぼむ芙蓉のような花の方がいいです。清潔なその花を見れば、何とも心が洗われ、富裕な気分になって空想が浮遊し始めるのです。本当に絶えず真っ白な心で過ごせればどんなにいいことでしょう。残念ながら、ニンゲンの心はあまりにも多くの黒い雑念で染まっていて、なかなか物事に真っ白い槿(ムクゲ)の心で接することは出来ません。ですから、マニマンはなおのこと白い花を好みます。今日はマニマンの近所の住人の通夜がありました。71歳で亡くなったのです。マニマンは夕暮れになって黒いスーツを来て通夜に出かけました。亡くなったその人が最後に見て感じ入った白い花は何であったでしょうか。マニマンはまた死ぬまでに真っ白なスーツとシャツと革靴のスタイルで街中を歩きたいと思いました。
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