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2008年04月05日●第 169 話
マニマンは、桜は木に咲いている時よりも、雨に濡れた地面に落ちているのや、小川に浮かんで流されている方がきれいだと思います。地面に落ちた桜はいつの間にか地面に同化して見えなくなります。川下に流れて行くのも同じで、いつの間にか水に溶けてしまいます。土と水の威力はすごいものです。どちらか片方でも駄目です。水がなければ砂漠、土がなければ取りつく島のない茫洋とした世界です。はははは、そんなことを考えながら、マニマンは雨の中、傘をさしてまた遠くのスーパーに買い物に出かけました。雨の中に見る曇った桜の花も乙なものですし、吹かれた花びらが傘にうまく貼りついたりもしますが、透かして傘の中からその花びらの影を見て歩くのはもっと乙なものです。本当はゴム長靴があればもっといい気分なのですがねえ。そんなことを思っていると、向こうから傘を指した長靴姿の乙女がやって来て擦れ違いました。いえ、本当は傘で顔を隠したままで、乙女かどうかわかりませんでしたが、顔を隠すというところに乙な乙女を感じたのです。『雨傘に花びら二、三の乙女かな』甲日堂
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