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●ミニミニ犬
寝床に入るのはいつも深夜2時以降だが、いつも夢は朝の目覚める前に見る。夢を見ている時間は1、2分もないと思うが、数年経っても記憶している場面があり、今朝もそうしたものを見た。



家内と一緒に曇り空の昼間、どこかへ出かけている。バザーをやっているので入ってみようかと筆者は無言のうちに家内に言って、ある客船へと続く桟橋を危なげにわたる。波のために船は揺れ、その橋も左右に多少揺れているが、距離は数メートルで、たちまち船の中に入る。入ってすぐ右に折れると、そこは古い静かな校舎のようで、前方にまっすぐ廊下が延びている。廊下の右側に教室と思えるような建物が並んでいる。廊下に面した窓の枠はやや黄緑色がかった水色のペンキを塗った木製で、それが古さと懐かしさを感じさせる。最初の部屋の手前の出入り口は開けっ放しになっているので、すぐに中に入る。人はいない。入った突き当たりの、そして入口側、つまり手前側の一角に机が固めて並べられてその上部に白いに布が敷かれ、安っぽい品物がずらりと並んでいる。その面積は部屋の4分の1ほどで、そのほかの場所は机も椅子もなくてガランとしている。並べられている品物はみんな新品同様だが、かなり年代もので、誰もほしがらないようなものだ。家内はがっかりしているが、それでも一応はつぶさに見ている。ふと床を見ると、あまり掃除していないようで、うっすらと埃が全体に見える。細かいゴミのかけらもちらほらある。すると、ちょこまかと動くものがあるではないか。しゃがんで見つめるとそれは掌サイズの小さな犬であった。「こんなところに放し飼いしている」と言うと、家内が振り向いて筆者を見下ろす。どことなく非難の顔で、触ってはいけないと言っている風だ。それにかまわずに埃でいっぱいの床に膝をついて掌を犬に向けてこっちへおいでと言うと、犬はその言葉に一瞬ためらいながらもすぐにやって来て筆者の右手の平にすっと乗る。長さは10センチもない。それに体は細長い。少しダックスフントを思わせもするが、耳はかなり小さく、全然別の種だ。全体はジャガイモ色で、鼻の辺りだけが少し黒っぽく、体毛は短い。掌のうえで犬は前足2本を上げ、それはあたかも馬が後ろ足2本で立っていななくのと同じような格好だが、前足を空中で前後に2、3度揺する。そのどこか甘えたような素振りがあまりに一人前なので、筆者は笑顔で感心する。
 ネズミの子どもよりまだ小さなこんな小犬がいるとは不思議なものだと驚いていると、今度は安心し切ったのか、犬は手のうえでそのままスヤスヤと眠ってしまう。そして掌のある部分がほんのり湿って生暖かくなったので、おしっこをされたのかなと思うが、それは違って、犬の急所の温かみが伝わっただけであるのがわかる。筆者の心を察知したのか犬はすっと立ち上がって掌からするりと降り、またあちこち走り回り始めた。すると筆者の後方の出入り口から50歳前後の女性が何人かを連れて部屋に急いで入って来る。「すみません。留守をしていまして」などとせわしなく言いつつ笑顔を振りまいている。もうその部屋には用がないから隣りの部屋に行こうと家内が言うが、その前にもう一度あの犬を見ておきたいと筆者は思って、さきほどと同じような格好で床に膝をついて目を凝らして犬を探すがどこにも見当たらない。その代わりに、床のゴミのかけらはみんな見たこともない海中の虫に変化していて、カサカサと動いて乾いた音を発している。気味が悪いと思ってすぐに立ち上がるが、部屋はいつの間にかあちこちに人が立っていて、話し声で少し騒々しくなっている。犬は見当たらないし、もう次の部屋に行こうかと思いながら、入って来た方向に体を向けると、急に目の前でぴょーんとボールを強くバウンドさせたようにはじけ飛ぶものがある。それが何度も連続して起こり、筆者は腕で顔を防御する。ちょうど筆者の顔の高さあたりでそれははじけ飛び、何度もそれを繰り返して今にも顔にぶつかって来そうなほど狂気を感じさせるのだ。するとさきほど入って来た係りの女性が言う。「その犬は時々そんな風に気が荒くなりますから、あまりかまわないでください」。それでも犬の激しいバウンドは止まらず、激しさを増すばかりだ。これではあの柔らかい小さな体がすっかりずたずたになってしまうはずなのに、なぜこうも強靭なのだろうと思っているところで目が覚めた。


床の埃はいつも寝る前に入る風呂場の窓枠下の埃が気になっていることの反映だ。昨夜もそれをシャワーで洗い流そうと思いながら面倒でしなかった。そのうっすらと溜まった埃の中には小さな蚊やほかの虫が見えるのだった。揺れる桟橋は先日家内と万博公園に行った時、自然公園内のソラードを全部歩き、その最終部分で似たようなロープで吊った揺れる木製の橋をわたったことが形を変えて現われたのだろう。
by uuuzen | 2005-06-10 10:38 | ●【夢千夜(むちや)日記】
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