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2007年12月19日●第 61 話
1か月ほど前のことですが、謎々スマイルさんに会った後、マニマンは百貨店でいけばなの大展覧会を見ました。造花はありませんでしたが、どれも造花に見えました。自然の中で咲いているのではなく、人為を加えてさまざまな花をさまざまな形に組み合わせ、さまざまな花器に盛って構成しているので、それは当然です。でも、造花に見えて造花ではないところが面白いのです。本物の花に見えて造花であることがわかったり、また造花に見えて本当に造花であることを知った時の味気なさといったらないですからね。『♪どの花見てもきれいだなー』と内心歌いながら、マニマンは花器にも目を配り、真っ青なガラスのものに目を引きつけられました。深い湖のようなその透明な瑠璃色は、花にはない神秘的な味わいがあってマニマンは大好きなのです。マニマンはその瑠璃ガラスに幼い頃の思い出があります。風邪で熱を出した時、瑠璃色をした吸い口という、小さな急須のような水飲み容器で水を飲まされたものでした。いけばなも同じ色した花器から水を飲んでいるわけですが、人の多さに発熱していたかもしれません。
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