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2007年08月22日●第 202 話
夕暮れに急に雷雲がやって来ました。部屋が真っ暗になりました。マニマンの裏庭に、音を立てて大きな雨粒が降り始めました。遠くで、近くで、雷がごろごろと鳴り続けます。マニマンは冷蔵庫に先日買って来た老玉ッタがまだ残っていることを思い出しました。その黒光りする玉は、まるで雷の素のようです。窓を閉めるために2階へ上がったママーニが叫んでマニマンを呼びました。裏庭の大きな合歓木のてっぺんに、大きな白と黒の羽をした鳥が1羽雨宿りしているというのです。3階に上がってマニマンは合歓木を見下ろしましたが、夕暮れの大雨ですから、はっきりと見えません。それでもとにかく写真を撮っておきました。そして、大雨を見ながらマニマンは、庭に水やりをする手間が省け、少しは涼しくと喜びました。次に、合歓木の根元に春に植えたカラスウリのことを思い出しました。『おにおにっ記2』の最後は、そのカラスウリの白い花の写真で締めくくりたかったのですが、地面は合歓木の葉陰になって光が射さず、ほとんど育たなかったのでした。何でも思いどおりになるとは限りません。
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