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2007年08月09日●第 189 話
マニマンはあまりの暑さのため、庭にはぷつりと出なくなりました。蝉が何匹か住みついていて、一番気温の高い真昼時は、時たま1匹が切れ切れに弱々しく鳴きます。オニビシを入れた火鉢は、雨が降るたびに中が泥沼と化しますが、発芽しないオニビシは真っ黒な逞しい感じのままです。土の中に埋めてやった象の形をした山芋は、すぐそばの細長いポールに新たな蔓をぐるぐる巻きつかせています。その勢いを見てマニマンは芋の精力を改めて思います。もうひとつ思い出しました。茶綿の種です。植えた数十粒はひとつも発芽しませんでした。もう花が咲いて実がなっている季節ですから、種は土の中でみんな死んだのでしょう。育ったり育たなかったり、植物もさまざまだなと感じます。その一方で、マニマンはずぼらして今年は裏庭にほとんど水撒きをしないので、本来しっかり成長するものまでも元気がなくなってしまうとも思います。放ったらかしも自然のままの風情があっていいですが、何事も程度の問題で、あまりの悪環境では育つものまで育ちません。マニマンは自分の境遇を振り返るのでした。
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