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2007年08月05日●第 185 話
マニマンの家の近くにあった店がある日空き地に変わったことは前に書きました。しばらくそのままだったのですが、つに家が完成しました。どんな人が暮らすことでしょう。広い前庭には土はなく、駐車場です。今は庭より車が大切な人が多いのです。マニマンは以前の店のことを思い出してみます。そこにも庭はありませんでしたが、夜になっても明るい看板が街灯代わりとなって、そこを通りがかる時には心の中も心地よく明るくなったものです。今度は部屋の窓灯かりは見えることでしょうが、以前の店のように誰もが家の中に入ることは出来ません。空き地のままなら、そこにはやがて草が生え、虫が住み、鳥も飛んで来たでしょうにね。そうすれば子どもの遊び場にもなりました。そんな遊び場は、子どもが大人になった時、心の中に心地よい空き地となって、いつもそこに楽しく戻って行くことが出来たはずです。家が建て込んだ地域には、そんな空き地がひとつはあってもいいのです。マニマンは生きている間にもう二度と同じ場所に空き地が出来ないことを思いながら新しい家を眺めました。
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