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2007年07月30日●第 179 話
昨日、マニマンとママーニは電車に2時間近く乗って遠くに出かけました。用事を済まし、建物から外に出た時、急に雷が鳴って大粒の雨が降って来ました。すぐにアーケードのある繁華街まで走りました。そのまま帰宅するのはもったいないので喫茶店を探しましたが、気に入る店がありません。マニマンは地下に市場があったことを思い出し、そこを見ることにしました。人気のない階段を下りると、日曜日かそれとも不況のためか、あちこちシャッターが閉まっています。沖縄名産店が灯かりをたくさんつけて営業していましたが、客はおらず、店員もひとりです。マニマンは黒砂糖が好きで、よく沖縄の物産店には立ち寄るのです。シーサーの小さな置き物に目が行きました。売り物ではないようです。そして、黒砂糖も買わず、店を離れようとした時、小さな音で三線(サンシン)が鳴っていることに気づきました。機械を装着した自動演奏です。マニマンが聴いたのは10数曲中の最後の曲で、すぐに終わってまた最初から演奏が始まりました。ガランとした中、マニマンは夢を見ている気分で歩き始めました。
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