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2007年07月29日●第 178 話
昨夜寝る直前にマニマンはママーニから満月が見えると言われました。寝転び進んで窓の外を見ると、夜空にぽっかりオレンジ色の満月が浮かんでいました。マニマンは嬉しくなりました。でもその夜、マニマンは悪夢を見ました。満月は狂気のシンボルですからね。それで、今日は電車に乗ってママーニと遠方に出かけ、帰りは夜になりました。途中下車して大きな橋をわたり、スーパーに買い物に行きました。橋の下では花火をしている人がちらほらいて、笑い声と大きな破裂音の中、きれいな花火が何度も橋より高く上がって赤く輝きました。空はどんよりと雲が立ち込め、せっかくの満月は見えません。雲が勢いよく移動していて、10秒も経たない間にオレンジ色の満月が顔を覗かせました。マニマンは嬉しくなりました。そして初めて満月の光が川面に映える様子を見ました。写真を撮ろうとしたのに、電池切れで、またすぐに雲が満月を被い尽くしました。買い物の後、また橋をわたると、雲に覆われて月明かりは全く見えませんでした。暗い中、マニマンは夢を見ている気分で歩きました。
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