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2007年07月24日●第 173 話
マニマンは見知らぬ道を歩くのが好きです。あまり見覚えのない町並みは楽しいものです。夢を見ているような、あるいはちょっとした旅行気分になれますし、珍しいものがいろいろと目につきますからね。そしてマニマンは、生活の匂いが漂い、懐かしい空気が漂っていることによく注目します。先日マニマンはそんな散歩中に面白いものを見つけました。ある家の扉の閉まった駐車場に、駐車禁止用のラベルが貼られていました。ところが、それは正方形の枠に真正面から見た黒い自動車だけを印刷して、『ここに車が入ってますよ』と、道行く人々に伝えているだけで、「駐車禁止」とは思えません。長年日光に照らされ続けて、禁止を意味する赤い斜めの線が消えてしまったのです。「しまった」と、家の人は思わないのでしょうか。それとも近視のためによく見えないのでしょうか。マニマンはまじまじとそのマークを見ながら、自分と同じ黒だなと思い、前に車を停めればどうなるかと想像しました。きっと家の人はすぐに赤いマジック・インキで、黒い車のマークの上に斜めの線を引くことでしょう。
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