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2007年07月18日●第 167 話
マニマンの家の近くには大きな川があります。それが毎年夏になると、何日も続く大雨や台風で増水し、黄土色に濁った水がゴーゴーと大きな音を立て、水泡をたくさん立てて逆巻きながら流れます。大木からボールまで、あらゆるゴミがぷかぷかと浮きながら、姿を見せたり沈んだりしながら一緒に流れて行きますが、川下の魚はいったいどうなっているのかいつも不思議に思います。そんな大雨の後、マニマンはその大きな川にかかる大きな橋をわたりました。勢いのよい濁流のため、橋がわずかに揺れているように感じました。橋の上から流れを見下ろすと、不思議と流れるゴミは見えませんが、あちこち勢いよく飛び交う黒い影があります。ツバメです。マニマンはまた不思議に思いました。激しい濁流の上に虫がたくさん飛んでいるのでしょうか。そうとしか考えられないツバメの忙しい動きです。マニマンは改めて虫が無数にいることを感じました。それだけたくさん飛び交う虫であれば、ツバメが無視するはずがありません。次々とついばんで、巣で待ちわびる子どもたちに持って帰ればいいのです。
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