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2007年07月10日●第 159 話
マニマンの部屋に忘れられたように置いてあるお盆に、去年の夏に買ったオニオニッビ、つまり2個のホオヅキが埃まみれになって転がっています。朱色がかなり色褪せ、皮は半分ほど網目状になって、中の丸くて赤い実が透けて見えます。実は小さく縮んで赤黒く、腐らなかったようです。乾燥してミイラになったのです。触るとカサカサと音を立てますが、皮がパリンと破れてしまいそうです。マニマンは思いました。『これを水に浸せばまた元に戻るかなっと。それともふやけ過ぎてもっと大きくなってオオオニオニッビになるかなっと。はははは、そんな実験をするより、今はもう今年のオニオニッビが出来ているから、それを買ってくればいいかなっと。なっとなっとの納得かなっと。』 そうなんです。季節は輪となって巡ります。今年も気づけばホオヅキは赤く色づいています。枯れたものはそのままにしておけばいいのです。ミイラにはミイラの生があります。でも、赤黒い実の中の種子を植えると発芽するかもしれません。となれば、ミイラは生の源です。枯れたものは大事にしなくてはなりません。
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