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2007年06月29日●第 148 話
マニマンはママーニから月が出ていると言われました。急いでマニマンはレースのカーテンを引き、ガラス窓を開けて暗い外を見ました。すぐに満月が目に入りました。久しぶりに会った気がしてマニマンは嬉しくなりました。マニマンは田舎っぺの冗談バイサオーの口調で心の中でつぶやいてみました。『満月が出たのお。とてもきれいだわのお。おお、本当に明るくてきれいだわのお。夏はいいのお。夏の夜の満月はもっといいのお。おお、何もせずにじっと眺めていたいのお。満月さん、どうもありがとうよのお。』 それからマニマンはふとんの上で横になって1時間ほどTVドラマを見ました。眠くなったのでTVを消しましたが、窓の外を見ると、満月の位置はぐんと下がって山の陰に隠れそうになっていました。満月も眠たいのです。『おやすみ、満月さんよのお。』 そしてマニマンはすぐに夢の中に入り、夜明け直前のまだ誰もが眠っているような暗い中をひとりで散歩しているのでした。呼びとめて尋問する人は出て来ませんでしたが、満月は沈んだのか、遠い山の向こうがぼんやりと光っていました。
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