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2007年06月22日●第 141 話
朝から大雨です。きっとナメクジがナメナメ這い上がって来ます。『ナメクジよ! なめとんのか!』『ハイ、なめております。ナメクジですから。どうぞなめ返してください』『やだワーイ・ゾーイ!』 そんなことを思いながら、マニマンは雨降る窓の外をなめる、いや眺めるのでした。遠くに大きな木に咲く白い大きな花が咲いています。『しっかり咲き揃いましたね。泰山ボックンさん』『ハイ、咲かせていただいておりますボックン』『なかなか泰然自若として貫禄充分、豪華絢爛威風堂々、雨ニモマケズの勃興気運でおますね。ボックンさん』『ハイ、われわれの季節でありますボックン』『もうちょい下の方で咲いてくれると、花の形もよく見えるんですがね。ボックンさん』『下の方に咲くと泰山の名がすたりますボックン。それにぼくはボック(木)ですから、ナメクジがナメナメ跡をつけながらナメナメ這い上がって来ますボックン』『今日みたいな大雨の日は特にね。ボックンさん』『ハイ、ナメクジはいやですボックン』『ナメクジ! ボックンメッツンさせるゾーイ!』 ナメクジは言い返します。『なめとんのか!』
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