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2007年06月20日●第 139 話
マニマンは久しぶりに庭の火鉢をのぞき込みました。雨がよく降るので水を入れ替える手間が省けていたのです。遠目にも水はいっぱいで、しかも緑色にはなっていません。後はオニビシの葉が浮いて来るのを待つだけという気分でした。ところが、見てびっくりしゃっくり。そこは無数無数のボウフラ、オニボウフラがウヨウヨウジャウジャ泳ぎ回っていて、きっと1000匹以上はいたでしょう。マニマンはすぐに火鉢を蹴り倒しました。それで水はほとんどなくなって、底の泥が見えました。でも泥の上でまだピチピチクネクネとのた打ち回っています。それを見てマニマンはもう一度火鉢を深く蹴り倒しました。すると泥と一緒に真っ黒なオニビシの実が出て来ました。全く新芽は出ていません。どうしたことでしょう。オニビシはもう発芽しないと決め込んだようです。マニマンは水をいっぱいにはせず、そのままにしておくことにしました。火鉢で育てることはどうやら失敗だったようです。マニマンはとてもがっかりしましたが、もうオニビシを庭で育てることはあきらめがついた気分がしました。
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