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2007年06月19日●第 138 話
どんな物や事柄も変化します。大きなことも小さなことも、いつかみんな変わります。でもひとりのニンゲンが生きている短い間には変わらない物もあります。マニマンにとってそれはいくつもありますが、たとえばある町に架かる大きな鉄橋です。それはマニマンがまだ数歳の子どもだった頃から色も形も変わりません。それが老朽化して架け替えられる頃、マニマンはもうこの世にはきっといません。その鉄橋にとってマニマンは、どんな物や事柄も変化する存在なのです。※ ●マニマンの思い出そっ記 5 1か月ほど前、マニマンはぶらりと電車に乗って散歩に出かけました。帰りも電車でしたが、ホームに立っていると、ちょうどうまい具合に電車の先頭が目の前で停まりました。そして日曜日でもあったせいか、比較的空いていて、最前列に座ることが出来ました。運転手のすぐ後ろです。マニマンは子どもに返った気分でずっと前方を見続けました。そして、鉄橋を走っている時、何重もの網か、透かし模様のあるトンネルを通過する気がしました。
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