|
2007年06月15日●第 134 話
今年の梅雨入りは2週間も遅れましたが、まだ正式な梅雨入り宣言はありません。蒸し暑くも肌寒く、晴れかと思えば急に曇って雷が鳴るなど、梅雨の季節はややこしいです。一昨日、マニマンはある山辺に位置する寺に出かけました。帰り際、階段を下りていると、頭上から落ちて来てマニマンの前をコロンコロンと転がって行くものがあります。意識を中断されてセミコロンを思い浮かべたマニマンは、それが止まった場所に近寄りました。青い梅の実です。マニマンの頭に当たっていれば、マニマンはそれと同じほどの大きさの瘤を作ったことでしょう。しゃがんで見回すと、あちこちに落ちている実はどれもみな腐りかけです。マニマンはもうひとつきれいなものを探して、ふたつ持って帰りました。匂いをかぐと梅酒のようで、その晩マニマンは梅酒を飲みました。梅の実の匂いは少し桃に近いですが、マルメロにも似ています。2日経つと、ほとんど黄ばんでぶよぶよになりましたが、匂いは相変わらずです。ひとつは汁が出て来たので捨てましたが、マニマンもうひとつを何度も手に取って匂いをかいでいます。
|