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2007年05月23日●第 111 話
マニマンはいつものように小川沿いの道を散歩しました。ふと見ると上流から南天の葉枝が次々と流れ来ます。誰かが庭木を切って流しているのです。マニマンは『何てんこっとするんだ!』と内心憤り、川をゴミ箱と考えているその無礼顔を見てやろうと、マニマンはぷんぷんしながら早足で上流に向かいました。するとひとりの伐採翁が川沿にいました。でも南天を切ってはいません。それにそのおじいさんの傍らを、さきほどと同じように南天の枝が次々と流れて来ます。ぷんぷんマニマンはさらに上流に向かって歩きました。すると南天はもう流れて来なくなり、無礼人を見つけることは出来ませんでした。マニマンは水門で立ち止まりましたが、そこに何本かの南天の枝が堰止めされていました。マニマンが知る限り、それより上流の川沿いには南天はなく、どこかから持って来て流したのかもしれません。そんなことを思いながら水門を見ると、そこに大きな蜘蛛の巣がかかっていました。ところどころ破れて蜘蛛はいませんが、光が当たったレース編みに見えました。マニマンのぷんぷんは収まりました。
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