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2007年05月22日●第 110 話
マニマンの小さな庭にはいつの間にかゼラニウムの鉢植えがあり、しかもいつの間にか花が咲いています。花の咲く音は小さいので、牡丹の苗台から出て来た芍薬のように、マニマンは気づかないことがあります。でも、真っ赤で目立つゼラニウムの花に気がつかないとはゼラニウムに失礼かな。マニマンがゼラニウムの名前を知ったのは10代です。油絵具にゼラニウム・レッドという赤があったからです。ゼラニウムという名前と花が一致したのはもっと後のことですが、何だか変な気がしました。マニマンはその花を大昔から見知っていて、変な形をした葉や形がよくわからない花の集合体を美しいとは思っていなかったからです。そんなゼラニウムは、日当たりのよい場所によく植えられています。きっと丈夫で育てやすいのでしょう。ゼラニウムの花の色はゼラニウム・レッドだけではなく、ヴァーミリオンもあって、この点ツツジと一緒です。マニマンの庭のゼラニウムは朱色で、背丈がやけに伸びていますが、ほかの植物に光がさえぎられているからでしょうか。寡黙ながら、自己主張しています。
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