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2007年05月19日●第 107 話
オニビシが発芽しないのに、一斗缶の水は毎日急速に減るようになりましたから、マニマンはついにオニビシを一斗缶の横に伏せておいた磁器製の火鉢に移すことにしました。それで早速火鉢をひっくり返して元どおりにしましたが、その途端、またもや長い長い、白い白いもやし草が2、3本生えていることに気づきました。伏せた火鉢の真っ暗な中で、草は光を求めて何度も火鉢の周囲をとぐろを巻いて伸び続けたのです。以前書いたような茎の細いカタバミではなく、もっと太いものです。マニマンはそのたくましいもやし草のすぐ脇に火鉢を置き直し、一斗缶に入っていた水をざーっと注ぎました。土混じりの泥水です。火鉢は底に穴が空いていないので、水はさほど減りませんが、すぐに腐敗するかもしれません。そのため、やはり毎日新しい水を注ぐ必要はありそうで、結局同じことです。これでオニビシが発芽しなければ、マニマンは諦めるつもりです。それがわかるのは1、2週間後でしょう。去年『おにおにっ記』を書き始めた6月16日には、もう小さな葉が水面に出ていたからです。
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