爆発の春であります。ははは、これは前に書きました。でもいいのです。同じことを書いても。爆発の季節には、花の固い蕾爆弾が次々と破裂します。
マニマンは鳥の鳴き声とともにその音を毎日うるさいほど耳にするので、その点ではあまり春が好きではありませんが、じっと耳を澄ますと、花によって爆発の音が違いますから、聞き方によってはフーガ形式の交響曲のようで楽しいです。でも、それをじっくり味わうには、精神を特別に高い状態に持って行く必要があって、忙しいと思っている場合にはとても無理です。マニマンはここ3、4年はずっと忙しいので、交響曲の響きではなく、騒音同然に聞えてしまいます。それは花のせいではなく、マニマンの方がおかしいのです。いつになればゆっくりじっくり春を噛み締められるのか、爆発の春の中でおろおろと思うばかりです。でも、ともかくとにかくまたたま爆発の季節です。去年も見た大きなアカシアの木はびっしりびりびりと火薬色した蕾爆弾を用意しています。不思議でも何でもなく、これが自然だと納得しようとはするのですが、それでもやっぱりぱりそのまのまんま不思議で仕方がない気もするのでした。
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2007年05月15日●第 103 話 昨日、マニマンは散歩中にケマンソウの花を見かけました。2週間ほど前でしょうか、ミヨーナの家の近くでも見つけ、写真を撮りましたが、陽当たりがよく、マニマンが初めて見る見事な咲きっぷりで、花の房がいくつも垂れていました。ケマンソウは高山植物のコマクサと同じ形と色をしていますが、茎や葉、花のつき方がまるで違います。でも、マニマンはコマクサが咲くような高山に登ったことはありません。植物図鑑でコマクサもケマンソウも知ったのです。コマクサは駒、つまり花が馬の顔のような形をしているのでその名があります。ケマンソウは仏具の「華曼」に由来しています。本当に面白い形をしたピンクと白から成る花で、それが鈴成りに連なっている様子は何とも豊かな気持ちにさせます。充分な日光と養分さえあればマニマンの小さな庭でも咲かせることは出来るでしょうが、去年の秋に買ったオジギソウにしても、結局は枯らせてしまい、マニマンは花を育てる資格がないと諦めています。そのため、マニマンの庭は放ったらかしにしても大丈夫な、雑草のような強い植物ばかりなのです。