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2007年04月07日●第 65 話
今日はせっかくの土曜日なのに曇りと雨です。昨日花見に行っておいてマニマンは正解だったと思い、そして昨日の思い出を反芻してみました。枝垂れ桜を描いた後、山辺を上がると、あちこちに大きな桜の木が花を満開に咲かせていましたが、どれも貫禄はまだまだで、長年生きていても風格を備えることの難しさを思いました。木でもそうですから、ニンゲンはもっとです。マニマンはUターンし、あちこちの青いビニール・シートを踏まないように気をつけながら枝垂れ桜の方向に戻る時、大きな池に1羽の白いアヒルが浮かんでいることに気づきました。じっとしたままで、マニマンは一瞬作り物と思いましたが、その途端にゆっくりと水面を滑り始めました。その直後、アヒルは池の中央の小さな岩陰に浮かんでいた1羽の鴨に接近し、すぐ後ろにぴたりとつきました。すると鴨は静かに泳ぎ始め、アヒルもそれにしたがい、ずっとそのままの格好で2羽は泳ぎ回りました。その機械じみた格好を見て、またマニマンは作り物かと思いましたが、そう言えば満開の桜も作り物めいて見えて来るのでした。
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