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2007年03月20日●第 47 話
カリンの実は誰も拾わないようで、地面に土色となったものがいくつも転がっていました。1月下旬以降もマニマンは自転車で通りがかるたびに見ましたが、腐った実は日々地面に埋没して行きます。一昨日また自転車でそこを通りかかった時、マニマンは自転車を停めてカリンの芽吹きをしげしげと見つめ、次に地面を見下ろしたところ、腐ったカリンがいくつも転がる枯れ草の中、土筆がたくさん生えていました。カリンの栄養を吸い取った地面が、土筆を育てたのです。それを見てマニマンは小躍りしました。去年からマニマンは土筆の実物を手に取りたいと思っていて、それが予想もつかないところで実現しました。オニビシのロゼッタ状の葉をつける茎の先端がちょうど土筆ほどの大きさで、形もそっくりであることに感心していたマニマンは、その中央監視塔のようなオニビシの茎の先端を土筆と比べて見たかったのです。また勇気を出して低い鉄条網の仕切りをまたぎ、何本かをポキポキと折り取りました。帰宅後、早速中央監視塔を中央にし、その両脇に2本ずつ土筆を並べ持って写真を撮りました。
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