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2007年02月20日●第 19 話
稲荷神社で「なまあげ」を見たマニマンは、鳥居をくぐってさらに境内の奥に進みました。露店のおじいさんがガラクタ品を地面に広げて売っていました。ガラクタ好きなマニマンは、片隅の箱の中に陶製の小さな飛行機や鯨のおもちゃが大量にあることに目をとめました。1個50円で、記念にひとつ買おうとしましたが、どれも今ひとつ気に入りませんでした。隣りの箱見ると、底に大型の印刷物がありました。中を見て驚きました。全部で50枚ほどの金髪の外人女性のヌード写真ですが、どれもすっぽんぽんの大股開きです。『境内の奥でこんな生ものを売っていいんかいな、すっぽんじいさん。』とマニマンは内心思いましたが、めでたい初午の日なら神様も笑って許すでしょう。陽だまりの中、マニマンは露天の際から奥の林を見つめ、少し踏み入れました。すると、消化用具の入った赤い大きな箱の上に不思議な黒いものがあって驚きました。よく見ると逆さになった烏のオブジェです。狐さんの「なまあげ」を狙ってやって来る烏を驚かせるためのものか、マニマンは脅された烏になった気分でした。
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