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2007年02月10日●第 9 話
節分の豆まき用に使う紙製の鬼仮面は、10年ほど前は赤塚不二夫がデザインした面白いものもありました。それは子どもが恐がらないデザインです。それに比べてマミー・ママンの家にあった赤鬼の面は恐ろしい顔です。目玉の紙がくり抜かれていなかったので、マニマンは指を突き通しました。2本の指はちょうど鬼の2本の角と対応して、醜さは倍増されました。鬼が恐ろしい形で表現されるのは、昔の地獄絵ではお馴染みでしたが、元は仏像の足に踏みつけにされる邪鬼が祖先です。マニマンはその邪鬼を見るのが好きです。何とも言えないユーモアがあるからですが、自分の周りによく似た顔のニンゲンを思い出してはなおさら笑います。金さえ儲ければ自分を偉いと思うような下品な連中には、この邪鬼そっくりな顔をしたのがよくいますが、仏像の神々しさを強調するためには踏みつけにされる鬼が必要なように、ニンゲン世界も偉い人が偉くあるためには邪鬼みたいな者も欠かせないのです。オニオニのマニマンは鏡を見ながら、アグリな自分の姿にアングリと口を開け、にやりと笑ってみるのでした。
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