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●ヘア・スタイル
い地震が新潟、長野にあったという。今パソコンのスイッチを入れて知った。1時間前のことだ。震度6強というから、最大級クラスだ。台風去って地震の災害国日本だ。TVではヘリコプターが緑色のきれいな田畑上を飛び続けているが、建物がほとんど見えないので、阪神大震災のような大被害はないと思うが、詳しい事情はわからない。



さて、今日は祝日で祇園祭の宵山なので、河原町は人出が多いことだろう。曇天ながら、どうにか天気は持ちそうだ。出かけてもいいかなと思うが、床屋に昨日行けばよかったのに、頭の毛が伸び放題で大きなマッシュルームみたいになっているのが、ちょっと恥ずかしい。まるでキノコ頭の鬘だ。ビートルズがキノコ頭で登場したことは、当時の水爆実験のキノコ雲の影響といったことが、もう何かに書かれているのかどうか知らないが、100年後の歴史家はそんな分析をするかもしれない。だが、筆者のキノコ頭は、雨後のタケノコのようなものではなく、じめじめ季節のじめじめ箇所に生える菌類みたいなもんだ。どうせなら寝癖がついてタケノコ頭になった方が面白いが、そう言えば70年代の筆者は、寝起きのヘア・スタイル、つまり癖毛が面白く、たまにそれを写真に撮った。そんな頭のままで街を歩けばどうなるかとよく半ば本気半ば冗談で言っていたものだが、何と今ではそういうしわくちゃ頭の若者ばかりではないか。筆者は30年先を行っていたが、そうではなく、今は半ば冗談半ば本気がまかり通る変な世の中ということなのだ。30年前の筆者は20半ばであったから、今のそんな若者と同じほどの年齢だが、もし実際にそんなとんでもない寝癖頭で歩いていたら、みんな頭のおかしい人と思って近寄らなかったであろう。そうそうまたアホなことを思い出した。当時のことだが、妹が面白い話をしてくれた。職場の同僚の若い女性が朝いつもと違ったヘア・スタイルで出勤して来たので、その理由を問うと、前髪を上げて額を見せてくれた。そこにはマジック・インキで落書きをした跡があったそうだ。何でもかなり年齢の離れた弟が、その姉が眠っている間に顔によくマジックで落書きするのだそうだ。それで、朝見るとビックリということになるのだが、マジックなのですぐには消えない。会社に遅刻するので、その日は頬など、見える部分だけどうにか急いで消し、そのまま出勤したわけだ。何という弟と姉と思うが、この話を思い出すたびに筆者は微笑ましくなる。弟もかわいいし、姉も面白いではないか。弟にすれば毎日化粧する姉が不思議であったのだろう。そんな顔に落書きしてみたくなるのは何となくわかる。消えにくいマジックとしてもいずれ消える。姉もそれを知っているので、仕方ないなと思っていたのだろう。これが恋人同士なら、ドメスティック・ヴァイオレンスとしてすぐに別れるか。何だか、全くアホらしいことを書いてしまったが、さて祇園祭はどうしようか。どうせ筆者の醜くて大きなキノコ頭に誰も注意を払わず、ちょっと変なおじさんと思う程度であろうから、こっちも妖怪のつもりになってひとりでぶらりと出かけるのもいいか。いやいや、あのとんでもない人出を思うと出かけてもつまらないか。先のタケノコ頭で思い出したが、コーン・ヘッドのSF家庭ドラマがアメリカで放送されていた80年代、パーマ・ヘアのザッパは同じタイトルの曲を作って歌っていたな。

●2002年4月16日(火)夕方
●ヘア・スタイル_d0053294_11523583.jpg夕方。朝は全くアホらしい尾籠なことを書いてしまった。大雨が降ると思っていたのにその後一滴も降らなかった。だが曇天で肌寒く、少し頭痛がある。2時頃にいつものボロンシャで洗濯屋にシャツを持って行き、その足で古本屋に出かけた。『本当の物語』に何度か書いたように、その店にはほぼ毎週行っており、今日は5冊買った。安い本ばかりだが、いずれも掘り出し物。帰りに果物屋の店頭で大きなタケノコを2本買った。好物で毎年これを食べる。数週間前からその店で買おうと思いつつ、買わなかった。日本で一番柔らかくておいしい物集女産がすぐ近くで採れるというのに、これは九州産だという。帰宅して今日の写生の1枚として早速描いた。実は今朝、図書館から借りて来たピエロ・デラ・フランチェスカの画集をほぼ読み終えていた。そこには遠近法の話があちこち出て来るのだが、古本屋ではルネサッス時代の遠近法について書かれた専門書を見つけてそれを買った。早速さきほど読み始めて、どんどんページを繰ったが、自分が興味を持った対象はいつもほどよい頃合に向こうからやって来てくれる気がする。ま、そう思えば人生は楽しい。ピエロの絵は人物の表情が凍りついたようで、しかもボッティチェリの描くような甘い美女や男前が登場せず、いわばその変な人物の表情に対してとっつきにくい印象がつきまとう。天才とはいうものの、日本ではまず実物の絵画を観る機会がないため、なかなかそれが実感できないでいた。ザッパに会うために92年にヨーロッパに行った時、大英博物館で晩年の『キリストの降誕』を観たのが初めてで、その興奮のために、わけのわからない息子にその絵を指して何やら説明したのを覚えている。理論書を2、3冊書いたピエロは、遠近法を応用して数学的な明晰な画面を描き続けたが、伝わっている作品を子細に見ると、1点ずつに新傾向が試されていて、画家の生涯の遍歴がいろいろと想像できて楽しい。こうしたルネサンスの巨匠たちの輩出は、60、70年代のロック・ミュージシャンの歴史と並べて考えてみたいと思うことがよくある。ピエロの作風は絵画の歴史の中で他の画家と影響、被影響関係で捉えることのできるものではあるとはいえ、彼は偶然に登場した存在と思える。その意味ではどんなルネサンスの巨匠でもみな偶然に1回限りの存在としてこの世に登場して来たはずで、実際そのように思う。ピエロは長らく絵画の歴史から忘れ去られていたが、20世紀に入って再評価されるに至った。そのこともよけいにピエロが偶然的にこの世に生まれ、そして絵を描いて死んで行ったと思わせる。
 ピエロのように再発見される画家がこの世にはどれほどたくさん埋もれているかと想像するだけで、つくづく人生は長く生きてみるもんだなという気にさせられもするし、一方では生きている間は有名無名関係なしに、とにかく自分の仕事をすることだけが大事とも思える。今はピエロのファンが多くいて、もし彼の絵が何らかの形で失われると、とても悲しむだろうが、そもそもピエロが再評価されなければ現在のピエロ人気もないわけで、その意味ではピエロを再発見した人の功績は大きいと言わねばならない。作品は同じ形でたとえ埃を被ってどこかで眠っているとしても、人がそれに与える評価は時代によって異なる。ある時は国宝級的扱いで、ある時は誰もその作品の存在さえ知らない。画家、いや音楽家もそうだが、芸術家はすべて全く偶然にこの世に生まれて、作品をものにし、そしてそれを鑑賞して楽しむこともまた偶然事。それはこの世に元来なくてもよいもので、であるからこそそれの「在る」ことが尊い。別の言葉で言えば一期一会だ。そんな偶然が楽しいからいろいろと展覧会や個展に足を運び、そして自分でもとにかく作り続けたくなる。ま、簡単に書いたが、ザッパの存在もピエロの絵と同じことが言えるのではないかと思う。外出している間にまた石原さんから『大論2』の読者カードがファクスされて来たからでもある。また我田引水になるが、「前作に引き続き、圧倒されてしまう内容の濃さで大変満足しています……」などとある。石原さんは気を遣ってわざと好意的なカードしかこちらに知らせないようにしているのかもしれないが、分厚い『大論2』ゆえ、ようやく読者は読み終え、カードを書き始めていることの証かもしれない。カードには5行分しか感想を書くスペースがないので、どうしても月並みな書き方になりがちだ。とはいえそんな5行を有効に活用して、熱いメッセージを書いてくれる人もあり、そういう場合はこちらもおやっと目と心を留めることになる。愛知のFさんなどはその代表であろう。彼は会社勤めでグラフィック・デザインの仕事をしているが、さもありなんという気がする。またザッパの紙ジャケットCDのジャケット構成を手がけているイラストレーターのUさんは、誰よりも早く『本当の物語』も含めて全部読んだうえでの感想を書き送ってくれた。書いた本人が最も本の隅々まで知っているのは当然だが、行間を含めてそこまで丁寧にほじくるように読んでくれる人はまずない。翻ってザッパの音楽に対しても同じことが言えるであろう。であるからこそザッパに関しての本ではあらゆる角度から書くことを自分に課したいのだ。作り手の気持ちがわかればこそだ。そこがわからない音楽評論家はさっさと筆を折るべきだが、逆に言えば、そこがわからないからこそか。

by uuuzen | 2007-07-16 11:52 | 〇嵐山だより+ザッパ新譜
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