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●音楽雑誌『relix』ザッパ特集、その11
じくイタリア系アメリカンのスティーヴ・ヴァイはザッパ楽派とでも言うべき才能で、ザッパのバンドから輩出した最も有名なギタリストだ。



1975年、15歳でザッパに電話をし始め、3年後にようやく会え、しかもザッパのギター・ソロを楽譜に起こすアルバイト仕事をもらえた。そこにヴァイの原点がある。ザッパが即興で演奏したギター・ソロを楽譜にするというアイデアは、その後ザッパに大きな収穫をもたらす。コンピュータ音楽を始めるにしても、楽譜があればいろいろと面白いことが出来るし、また別の人間に別の楽器で演奏させる場合にも楽譜は欠かせない。ヴァイがいなくてもザッパはそうした仕事を他人の手を借りてどうにか進めたであろうが、ロック好きで、しかもギターが演奏出来るヴァイがいたことはザッパにとってつごうがよかった。電話をもらったヴァイは2年ほどしてニューヨークからロサンゼルスに移住し、そしてツアー・バンドの一員として加わることにもなる。今あるヴァイの地位はザッパのおかげと言ってよいだろが、ヴァイにはヴァイの演奏スタイルがあり、ザッパよりはるかに手慣れた、そして速弾き出来るその曲芸的な技術は一聴してヴァイのものとわかる特質を持っている。ところが、それがザッパの演奏より優れたものかどうかはまた別問題で、ここにギター演奏、あるいは音楽の奥深さがある。筆者はヴァイのCDの大半を所有するが、何度も繰り返して聴きたくなる曲はごく限られている。結局のところ、おそらく表現したものが人々に愛されるかどうかは、その表現者が持っている精神的なものの度合いによるのだろう。ヴァイのそれがザッパより小さいというのではないが、別の何かであることは確かだと思う。これはザッパ贔屓の立場からの意見であり、ヴァイが尊敬するザッパの音楽を少しも知らない人から見ればまた違う。そして現実にはそういう人の方が圧倒的に多いだろう。知名度からすればザッパの方が上だろうが、実際にCDが売れている方となればヴァイではないだろうか。『relix』でヴァイはザッパの音楽の特徴をいろいろと列挙しているが、その最後でなかなか泣かせることを書いている。それは偉大な音楽家の創作能力の頂点が50から70の間に存在するというのに、ザッパはわずか52で死んでしまい、その後どれほどの音楽を書いたかはもはや想像出来ないという悔しさや、また今もてはやされているポピュラー・バンドのほとんどが100年後には過去のものとなっているに違いないことに対し、ザッパはひとつの楽派として形成されているはずという確信だ。そして膨大なザッパのアルバムから初心者は次のようなアルバムから聴き始めればよいとし、5枚を掲げている。なお、この5枚はヴァイの演奏を含まない。『One Size Fits All』『Joe’s Garage』『We’re Only in It for the Money』『Roxy and Elsewhere』『Jazz From Hell』。

●2001年10月29日(月)夕
夕暮れ時。さきほど中学の同窓会に出席した友人から電話があって小1時間ほど話した。「やっぱり大山が来えへんがったらあかんわ」と言われたが、何だか筆者が一番のしゃべりであるかのようだが、乾杯の音頭を取ったり、話題を作ったりして、サーヴィス精神旺盛だからだろう。電話を切った後すぐに今度は石原さんから電話があった。そして続いてファクスで『大論2』のゲラ校正の3点の不明箇所の問い合わせが届いた。それら全部を今書き直してファクスで返送したばかり。おそらく今日中に印刷屋で訂正してもらうための完全な校正ゲラが出来上がるのだろう。それにしてもあちこち訂正して赤だらけになっているはずだ。本文の黒い文字は校正の赤字で、赤と黒の対比が美しいか。インターネット・オークションで出ている「熊乗り金時」は黒の熊と赤の金時の色の対比が見事だった。熊の口と耳の中が金時と同じ赤で、金時の持つ斧の黒が熊の黒と同じで、限られた色彩で最高の効果を上げている。それにしても誰に頼んで買ってもらおう。もう買った気分でいる。話を戻して、石原さんの不明点を問うファクスは、筆者が自分ではわかっていても、他の人には意味がつかみにくい書き方をあちこちしている証拠だ。わかりやすい表現で、しかも字数を増やすことなくであるので、訂正するにも頭をひねる。3点ともうまく行ったと思うが、この調子では読者が勘違いして読んでしまうか、理解が至らない箇所が他にもあるかもしれない。細かく書けば無粋になるので、ほのめかしで済ますことがあるが、それでは理解できない読者がある。読者のレベルを考えなければならないが、筆者にはそれがよくわからない。書くべき情報のどこまでを説明するかは難しい問題だ。よく専門的な事項に関しては欄外に逐一簡単に説明を設けている本があるが、『大論』であれをすると、本文よりさらに小さい活字で欄外に注を設けて余白を取る分、本文の文字数が少なくなるから、総ページ数は5割り増しでは止まらないだろう。それに何となく不細工だ。しかし適度の説明はほしいから、本文の流れの中で説明すべきものはしておいた。また知らない名前や事項が出て来れば、後は自分で興味を持って調べるという態度がほしい。そのようにして世界が広がるのであって、欄外の注は案外意味のないものが多いと思う。石原さんのファクスには、本の表紙デザインを速達で送ったと書いてあったので、明日には届く。それでこの日記で言及することにかろうじて間に合う。今思いだしたが、今日のUさんの手紙には、紙ジャケ・ザッパ第2弾の売れ行きが好評と書かれていた。29日発売だとばかり思っていたが、Uさんの作った広告を確認すると24日であった。どこで記憶違いをしたのだろう。万事この調子。自分の記憶は当てにできない。
 午後6時。今また石原さんから電話があった。さきほどの3つの訂正は問題なくうまく行くとのこと。先日送った人名索引はやはり予定していた10ページには収まらず、後4ページ必要になったとのこと。土壇場でまた変化が生じたことになって何だか申し訳ない気がする。全672ページで、16ページの42倍。予定より8ページ増えるが印刷費があまり変わらないらしい。8ページ増えた分、ディスコグラフィーは元の5ページでもよくなって、先日4行削って、どうにか4ページに収めたものをベースにして、レコード番号などの追記を復活させることができるようだ。『大論』では表紙はタイトルを浮き上がらせるようにエンボス加工を施したが、今回も同じ加工をして本の重量感を出すつもりだが、それも予算をはじき出したうえのことで、タイトルではなく別の部分に施すかもしれない。また前回では表紙の白い部分がタイトルの黒の印刷で汚れていたものが多かったので、今回はP何とか加工によって、表面をつるつるにするという。それをすると経費がかかるが、返本時に汚れがあるとかえって費用がかかるから、それを考えると表紙を汚れないようにしておく方がよい。本の束見本が上がって来たらしいが、120ページ増えた割りにはぱっと見はさほど変化が感じられないらしい。そのため6000円といった価格は無理なようで、どうにか5500円になるように印刷所とも交渉中という。120ページ増しとはページ数から言えば2割り増しであるので、価格も2割り増しできそうなものだが、そうは行かず、1割り増しに止まる。いよいよ印刷が間近なようで、筆者にも解放感が訪れる。石原さんはぼつぼつとこの日記を読み始めているようで、内容に関しては面白いとのこと。打ち出したものを送付してもらって、誤字などまた訂正する必要がある。それにまだこうして書いている分も11月上旬には送信して、それをまた打ち出してもらう必要があるから、後2、3週間はまだ完全なる解放感はやって来ない。CD-Rに焼きつけする際は、この本文は『大論2』と同じく縦組みになるようだ。漢字の開きに関しても『2』に合わせているので、特典の付録的読み物としてはいい体裁になるだろう。筆者の仕事のことを含めて、かなり個人的な事柄を書いたので、それはそれで筆者がザッパをどう読み解いているかを考えるうえでのヒントを読者に与えると思う。客観的であろうとはしても、書き手の人生は当然ザッパ観に反映するはずで、その意味でこの日記は別の読み物としても楽しめるだろう。もちろんこんな著者の生活を暴露するような読み物には幻滅を覚える人もあるかもしれないが、ザッパ・ファン全員が読むものではないし、一方で読者の間に何らかの反響が生ずるのは面白い。『大論2』とは別の反響を待つ楽しみもこれでできた。

by uuuzen | 2007-05-31 09:12 | ○『大論2の本当の物語』
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