人気ブログランキング | 話題のタグを見る

●アルバム『BUFFALO』解説、その1
●アルバム『BUFFALO』解説、その1_d0053294_11333430.gifのバナーは、本日で連続投稿700日目を示すもので、節目がほしいために掲げるだけ。では下のMoreをクリックしてください。




息子の車のカー・ステレオは10枚のCDがセット出来るが、ザッパのアルバムを2枚紛れ込ませてもらっている。1か月に2回ほどその車に乗り、2か月に一度ほどは順番が回って来てザッパのCDがかかる。その2枚とは『シーク・ヤブーティ』と『ティンセルタウンの騒乱』で、実はこれは迷ったあげくの選択だ。もちろん好みなのだが、半分は息子に聞かせたい思いがあってのこと。息子は中学生が聴くようなアメリカの3流のハードロックばかり聴いていて、さっぱり父親の音楽の好みには関心がないため、少しでもザッパを知ってもらおうという考えだが、もう20代半ばになっているので無理だろう。で、筆者の好みとしては『シーク』より『ティンセル』がいいのだが、それはより新しい音がするからだ。それにまとまっていそうでそうでないようなところがいい。悪く言えば消化不良の思いが残り、それがあるためにまた聴こうという気になる。ザッパにはそんなアルバムは少なくない。いやほとんどがそうと言える。なぜか不満が残るのだ。それはひょっとすればザッパ自身の不満が反映してのことかもしれない。その不満は未完成さにつながるもので、おそらくザッパはアルバムを出しても満足せず、すぐに次の構想に移った。これは作家であれば誰しもそうで、この作品を残したからもう満足というのでは死を待つだけで、しかも本人が満足しているだけで、はたから見るとそんなによいものではなかったりする。つまり、不満を抱いて次々と作品を作っている時の方が健全で、そんな不満をどこかに反映させた作品の中から名作というものが生まれる。これは、どんな名作でも傷があるということなのかもしれないが、そうとも言えるし、そうでないとも言える。その傷は料理で言えばアクみたいなものだ。それがあることによって独特の個性を持つことが出来るから、そこを好むかそうでないかで評価が分かれるからだ。それで、『シーク』も『ティンセル』もそんな不満的要素を持っているが、それは簡単に言えば、ライヴ録音したものを後でスタジオで加工しているためだ。思えばザッパは初期からそんなことをしていた。ここには一連の長いライヴ演奏が、40分程度の収録時間のLPに収まらないという制約が強く関係していたが、CD時代になっても相変わらずそうしていたところは、演奏の姿も見られるライヴとは違って、レコード(LP、CD)は音だけの全然別のものと割り切った考えを持っていたからだろう。それに2時間近いライヴ演奏では多少のミスも生じるし、それをレコードに記録することは完璧主義が許さなかった。そのため、レコードでは数多くこなしたライヴ演奏からいいところを取り出し、そのついでにスタジオで加工した音を足すなどした。だが、そうして出来たレコードは、聴き手にとってはライヴの熱気と、スタジオ内での冷静なザッパの眼を感じて、全体がよりカラフルに彩られたものになるのはわかっていても、その異質なもののぶつかり合いが覚醒を呼び起こさせもする。つまり、ザッパと同じ視線で音楽を鑑賞することになる。それゆえ、ザッパが本来感じていた不満がそのままこちらにも伝わって来るのだが、そういう例として最適なのが、筆者にとっては『シーク』や『ティンセル』なのだ。
●アルバム『BUFFALO』解説、その1_d0053294_113137.jpg

 一段落が済んだので以上で今日はやめてもいいが、肝心の『BUFFALO』について何も書いていないのでそういうわけには行かないか。『BUFFALO』が収録されたのは1980年10月25日だ。その7か月後に『ティンセル』は発売された。そのため、ニューヨーク州のバッファローでコンサートを聴いた人は、その中で演奏された新曲の幾分かをかを『ティンセル』で聴くことになった。『ティンセル』は1980年6月のロンドン、12月のアメリカ西海岸など数か所で収録された音源を利用し、そこにスタジオで演奏した音を重ねて作ったもので、80年のヨーロッパやカナダ、アメリカ・ツアーを全部見た人が聴いたとしても、初めて聴く音が含まれている。ここには毎年のコンサートを総括する意識と、コンサートだけがすべてではないというザッパの思いがよく見られるが、その考えは終生変わらなかったから、ザッパ没後にこうしたコンサートを丸ごと収録したアルバムを聴くのは、熱気が削がれないためザッパが生前出したアルバムを聴くよりまだよいと思う気持ちがある反面、ザッパならこれは出さなかっただろうなとの思いが厳然としてあるので、何だかそれがまた新たな不満のようなものとしてふつふつと沸き起こって来る。コンサートをそのまま収録したアルバムはザッパの生前からたとえば海賊盤では普通にあったから、『BUFFALO』は海賊盤の高音質のものであると言えるが、いつも書くように、不思議なもので、きちんとしたジャケットのデザインで公式に発売されると、一気にそれは本物というオーラをまとうから、とても海賊盤のようないやらしさは感じず、神棚に飾りたいようなものには仕上がっている。実際ここでの音は素晴らしい。『ティンセル』と同時期とはとても思えない。それはこの四半世紀の間にデジタル録音のCD化への音質が向上もしたためであろう。とにかく厚みのある音と、あまりに素早い、突っ走り続ける演奏は、全く『ティンセル』には見られないものと言ってよい。このような演奏を実際のステージでしていたザッパは、新作の『ティンセル』を作り上げる時には、スタジオ内にこもっての冷静な眼差しを適用したために、それが大きく反映してしまった。ザッパはどんな不満を抱えていたのだろうと思う。そして、この『BUFFALO』を聴いてどう思うだろう。しかし、このアルバムとて鋏が入って演奏は「加工」されている。そのことは見開きジャケット左の解説のどこにも書かれていないが、聴くとわかる。

●2001年10月9日(火)午後
午後。朝に仕立て屋から電話があったので自転車に乗って四条大宮まで行って来た。急ぎの仕事がこれでようやく終わる。電車にすれば今日から始まるある個展にもついでに行けるので、天気予報を見ると午後遅く雨が降るというし、しかも仕立て上がったものを持ってあちこちうろつくのは気が進まない。結局自転車にしたが、それならばまた別の用事を作ればよい。途中でお金を下ろして、国民年金を振り込み、途中で足を延ばして2ヵ月ほど行っていない古本屋にも寄ろう。街路樹のプラタナスの葉は相変わらずあちこち転々と落ちていて、それをいちいち自転車で轢き殺して行く。そのたびにグワシャッという音が鳴るが、さらにしわくちゃになった古いものはシュワッと小さな音が鳴る。まるで老人のか弱さだ。そういえば昨日自転車に乗って松尾橋をわたったところ、歩道と車道の間に獣の死骸があった。肉は千切れて、一部に赤い身が見えていたが、全体はスルメみたいに伸びている。一部茶色の毛が風でふわふわしていた。猫だろうが、それにしては珍しい毛の色で、まるで狐のようでもあった。わずか一秒見たかどうかであったが、鮮烈な光景で、その足でスーパーに行ったのだが、今年はまだ食べていなかった好物のイチヂクを買った。イチヂクを食べる際にはパクリと割るが、その中から見える赤い実は自動車に轢かれて死んだ小動物の肉とよく似ていると思った。それでもパクパクと4個くらいは一気に食べる。今年はイチヂクを食べるのは遅れたが、柿は先月の当時の弘法さんの縁日で、門をくぐって5分と経たない頃、四角い平柿を売っている威勢のいい兄さんがいる場所で立ち止まったところ、その口車に乗せられ、またたく間に見事に900円分も買わされてしまった。20個近くあったので、重いのなんの、その後伏見人形を探す時に往生した。妻はいかがわしそうな売り手の言葉に絶対に美味しくないはずと言い張ったが、試食すると甘かったし、何よりもその兄さんの上手い口上に感心して、それが楽しかった。それで帰宅して食べてみるとこれが実に美味しかったし、近くのスーパーよりはるかに安かった。2日ほどで全部食べてしまって、同じような形のものを妻はまた百貨店で買って来たが、これが全く味がなく最悪であった。上品な見てくれだけでは味はわからない。さて、仕立て上がりを取った後は太秦の方に立ち寄って古本屋へ。2ヵ月前にジョー・サトリアーニの楽譜があるのを見つけていたが、きっとまだあるはず。やはりあった。他に古本2冊とCD2枚。店を出ると空は黒い雲が覆っていた。傘を持って出なかったので、早く帰らないとまずい。帰宅してしばらくするとポツポツと来た。仕立て上がりを梱包して発送。遅い昼食。そしてまたイチヂクを食べて、TVのアフガニスタン関係の番組を横目で見ながらこれを書いている。後1行書けば区切りがいいので、またゲラ・チェックをしよう。
by uuuzen | 2007-04-21 11:43 | ○『大論2の本当の物語』
●アルバム『BUFFALO』到着 >> << ●アルバム『BUFFALO』解...

 最 新 の 投 稿
 本ブログを検索する
 旧きについ言ったー
 時々ドキドキよき予告

S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
以前の記事/カテゴリー/リンク
記事ランキング
画像一覧
ブログジャンル
ブログパーツ
最新のコメント
言ったでしょう?母親の面..
by インカの道 at 16:43
最新のトラックバック
ファン
ブログトップ
 
  UUUZEN ― FLOGGING BLOGGING GO-GOING  ? Copyright 2024 Kohjitsu Ohyama. All Rights Reserved.
  👽💬💌?🏼🌞💞🌜ーーーーー💩😍😡🤣🤪😱🤮 💔??🌋🏳🆘😈 👻🕷👴?💉🛌💐 🕵🔪🔫🔥📿🙏?