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2006年12月14日 ●第 180 話
一昨日からずっと雨。予報では明日もです。今日は庭に出てみました。オジギソウは花を咲かせないまま、無残な姿です。2か月ほど前に見つけたマルメロの実はどれも焦げ茶色の大きな染みが出来て、さびしい老人のような姿になっています。マルメロは強い香りがありますから、玉ねぎの網袋に入れて雨に濡れない庭先に吊るしておいたのでした。そのマルメロは、バスに乗って図書館に行き、その帰り道の植え込みに落ちていたものです。マニマンは黙って拾って帰ろうと思いましたが、20メートルほど先におばあさんがじっとこっちを向いていました。それで、おばあさんに近づいた時に声をかけました。「マルメロとは珍しいですね」「昨日も誰かが絵を描きに来てましたな」「これらの木は誰か個人が育てているものですか」「いいえ、昔からあって、世話する者が勝手にやっているだけどす」「あの落ちているマルメロはもらって帰ってもいいですか」「どうぞどうぞ、あっちにもたくさん落ちていますよ。なんなら袋あげましょか。この実は焼酎に漬けると喉の薬になります」 マニマンはそのことを知っています。
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