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2006年12月12日 ●第 178 話
叔父の喜寿祝いために親類一同がホテルに集合した日、マミー・ママンは空の一斗缶を持って来てくれました。それはとても古いもので、マニマンは見覚えがあります。蓋がついていて、表面にはグルミンという薬の名前が印刷されています。マミー・ママンが希望をかなえてくれたのはとても嬉しいのですが、その缶の底に釘でいくつかの穴を開け、土を入れてオニビシを育てるのは気が進みません。何十年も前の、それなりに便利に使ったいたものを、まさか泥で汚し、しまいには捨てるという運命にさらす気にはなれないのです。どうでもいいような、錆びた廃品で充分なのです。マミー・ママンは何に使うのかとは訊ねませんでしたが、オニビシを育てると言ったとしても、きっと納得するだけです。でもマニマンにはその缶はオニビシには立派過ぎると思います。そのため、せっかく手に入った一斗缶はそのままになり、狭いマニマンの家をさらに狭くしています。どうにかして別の一斗缶を探そうとマニマンはまた思い出し、さきほど買い物に出かけた際に注意しましたが、どこにもそれは転がっていませんでした。
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