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2006年10月17日 ●第 122 話
「バイサオーさんは肥前のお生まれでしたよね」「ふふ、オニビシの霊がわしと君の仲立ちをしておるとな?」「はい」「オニビシ精人の霊は時々わしと礼を交換して、霊格を交感させ合うのだな。で、君はたくさんのボウフラの命をこの夏に奪ったが、オニビシを成長させることは出来んかったな。君にどうやら『駄骨』という号を贈ってあげた方がよさそうじゃが、その無駄な時間の流れの中で何をつかんだかが大事なんでのお」「ぼくは失格でしょうか」「そうは断言せん。ただな、最近の君の心は少し荒れておる。そのことで君の皮袋は寿命が縮まる。それはよくない。」「バイサオーさん…」「そうだな、君がドクロ寸前の80の齢になって君の霊がわしを欲しておれば、わしとはもっと深い話をして油を売っているかもしれんな。」「バイサオーさん……、ぼぼぼく、眠たいです」「ふふ、そこらで横になって少し眠るがいい」 マニマンはすぐに眠りにつきましたが、汗びっしょりになって目が覚めました。そして階下に行って冷たい麦茶を1杯飲み干しました。真っ暗な裏庭からは、かすかに秋の虫の声が聞えていました。
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