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2006年10月16日 ●第 121 話
バイサオーの小さな道具箱には「清風」という文字が書かれた旗がついていて、無風なのにはためいています。「おいしいお茶ですね」「ふふ、水は清水寺で汲んだからの。茶の葉は宇治で特別に作らせたものじゃ。庶民にはあまり手が出んが、爽やかな一服で世界がまるで違って見えるもんでのお」「あの、ぼくバイサオーさんにずっと会いたかったのです。でも、バイサオーさんは250年前にお亡くなりになられたはず」「ふふ、霊じゃて。生き物はみな一時的な皮袋の中に霊が宿るもんで、皮袋はやがてしぼんだり、破れたりする。そしてしまいにはドクロじゃな。はかないもんよ。しかしな、霊は不滅でのお。マニマン君がわしに会いたいと思えばそれはいつでもまにまにじゃ」「今までお会い出来なかったのでしょう」「君の霊がまだわしに本当に会えるまでに心が動いていなかったからじゃな」「これからは自由に何度でもお会い出来るのでしょうか」「それはわからん。君次第じゃて」「でも何となくわかる気がします。ぼく、ずっと日記をつけているのです。それは佐賀県から買ったオニビシの成長観察から始ったのです。」
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