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2006年09月20日 ●第 95 話
オニオニオニッ! 抜け殻じゃ。生き物はみんな頭巾のような皮袋に包まれておるぞ。われらオニビシはボウフラと同じ、マニマンもコマニと同じじゃ。生き物はみんな皮の中に霊を持っておる。マニマン、以前オニビシの抜け殻や透明ボウフラを見たじゃろ。あれは新たな皮袋に命が宿替えしたんじゃ。ニンゲンもな、たとえばソーセージみたいなもんで柔らかい皮袋に肉や骨が詰っておる。マミー・モスキートはそれをよく知っておってプチンと針を刺して血を吸うんじゃ。それでな、わしは殻を一時脱ぎ捨てて水中で茎や葉をたくさん生やすんじゃが、秋が深まるとまた皮袋を作るんじゃ。その中には新しい霊が入っとる。つまりな、皮袋は霊の宿る場所じゃ。じゃが、霊は霊で、それが皮袋に宿るのは一時なんじゃ。だからな、わしがバス・タブで育たなくても深刻になることはないぞ。わはははは。思う心があれば、いつでも霊は新たな皮袋に入って新たな霊入りの皮袋を生み出すことが出来るぞ。霊は生も死も合わせたものよりまだ大きい。ボウフラやオニビシはそれを知っとる。ニンゲンだけが問題じゃ。オニオニッ!
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