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●アルバム『TRANCE-FUSION』解説、その1
ット通販のアマゾンに注文していたフランク・ザッパのギター・アルバム『TRANCE-FUSION(トランス・フュージョン)』が3日前に届いた。そこで今日はこれについて感想を少々書く。



●アルバム『TRANCE-FUSION』解説、その1_d0053294_13432942.jpgこのカテゴリーも久しぶりだが、近いうちにさらにザッパの新作CDが2点届く予定なので、それらについてもいずれこの五年前の日記の掲載とともに書くことにする。ザッパが1993年12月に亡くなるまでの半年間に関してはあまり詳細はわかっていない。たくさんのミュージシャンが駆けつけて面会したであろうことや、またレコード会社とのビジネスの話、さらに家族に対するその後の仕事の指示など、悪化する病状の傍ら可能な限りさまざまなことが計画されたことは想像に難くない。この『トランス・フュージョン』に関してもタイトルや内容は13年前から明らかになっていて、ほどなくして海賊音源が出回り始めたが、公式発売がいつ行なわれるのか、ファンにとっては待ちあぐね続けたものであった。音質はあまりよくなくても、一応海賊盤で内容を知っていたファンにすれば、公式発売の楽しみはジャケットの内容と、どれほど音質がよくなっているか、あるいはボーナス・トラックがあるのかといった、ある意味ではほとんど些事に属することに絞られていたと言ってよい。だが、さすが公式発売の意味は大きい。同じ音源であってもそれが正しい形で世に出れば、もう今までの海賊盤は即座に蹴散らされた格好で脳裏に新しい印象が刻まれる。それにザッパの遺族にしても海賊盤がとっくの昔に世に出回っていることは周知のうえであるし、それらを凌駕する貫祿というものを付加したうえでの公式発売をもくろんだことは当然のはずで、その期待を裏切らない内容としてファンの手元に届いた。それにしても13年も待たされたというのに、この新作CDを聴くと、ザッパ没後のこの13年がほとんど一瞬であったとの感覚に襲われる。それはなぜかと言えば、作品が古くなっていないからだ。新作として届いたばかりであるから新しく感じるのではない。収録されている音楽が時空を越えているのだ。いや、これは誤解を招かないように言っておくが、作品内容は確かに演奏が収録された時点でのあらゆる空気を閉じ込めていて、その点を見れば確かに「古い」ものに違いない。問題はすべて受け手の意識にある。作品は受け手が感じることによって初めて意識の中で動き始めるものだ。そのため、作品があって、一方で人間が存在する限り、作品は常に新鮮な状態で立ち現れる可能性を持っている。作品は決して死なないし、常に若いのだ。
 このCDのジャケットが公表されたのはつい最近のことだが、一目見て優れたセンスを感じた。イルカとザッパは似合わないでもないが、そこは公式発売という威力によって、どのような存在もザッパに強く結びつけられる。ザッパはイルカについての曲は書かなかったにしろ、ここでひとつのザッパ-イルカの関係が浮上し、それがザッパの全作品と関連づけられる作業も始まることになる。水中で泳ぐイルカに映ずる上方から降り注ぐ太陽の光の模様が何とも心地よく見え、しかもその光源がZAPPAという形になっていて、これも秀逸なアイデアと言うべきだ。現実にあり得ない20匹近いイルカの固まり状態は、最初はよくわからなかったが、これはやがてザッパ没後に家族が生み出したザッパのロゴ・マークの髭をそのまま模していることに気づいた。太陽光線をZAPPAの文字になぞらえることとともにこれもなかなか遊び心があってよい。一方、「TRANCE-FUSION」のタイトル文字はごく目立たない大きさになっている。これも洒落たセンスをよく伝える。ところがジャケット裏面では水の揺らめき状態にデザインした全く別の文字がある。これは正直なところ、あまりよい出来ではない。その点はさておき、ジャケット・デザインを最初に見た時からこのアルバムの中身の充実度を感じた。CD時代になってからジャケットの威力はかなり減少したと言われるが、このアルバムはそうとは言えない好例になるだろう。ブックレットは4つ折りで、裏ジャケットのザッパの写真を含むと全部で3点のザッパの写真が見られる。25年前にはえらく大人びた風に、つまり言葉を変えればおっさんと思えたものが、今ではその反対にえらく若く見える。これはこの25年の間にこちらがザッパの享年の齢を越えてしまったからだが、それがちょっぴり恥ずかしくもあり、また若いままのザッパが羨ましくもある。とはいえ、これは筆者のように30数年も前からザッパを聴き続けて来た者だけが感じることであろうし、今の20代では相変わらずこのCDのザッパ写真を「おっさん」にしか見ないだろう。だが、ふふふ、そんな20代もあっと言う間に40、50の年齢になる。
 ザッパ没後は遺族が通販で新作を発売することが続き、やや割高な価格や決裁の面倒もあって、日本におけるここ13年のザッパの新作CDの売れ行きは思ったほどではないと想像する。ネット時代になってレコード店に足を運ばなくても簡単にCDを買えるようになったので、アマゾンで買うのもザッパの遺族が経営するBARFKO-SWILLから買うのも同じようなものだが、より安価でしかも確実かつ迅速に届くアマゾンの方が安心感がはるかにある。今回のCDは例外的に日本のアマゾンで予約出来る販売体制が採られたが、これはザッパの遺族とレコード会社との契約履行が理由なのか、もっとほかに何か事情があるのかは知らない。それにしても今後もアマゾンで簡単に入手出来る方がファンとしてはありがたい。昨日アマゾンを調べてみると、もうすでにこのCDは2000円を切った価格で中古が売られている。つまり、急いで予約して入手する必要はなかったわけで、発売後しばらく待った方が安価で買えたことになる。だが、これは結果論であって、予約終了した後、一時このCDの価格は4000円を越えていた。日によって刻々と価格が変動するとはいえ、倍ほども差がある事実は何とも納得し難い気分を残す。だいたいアマゾンで流通するCDは発売後2000円前後で落ち着くと見てよく、たとえば日本のMSIが直接ザッパ・ファミリーと契約してまとまった数を一括輸入して日本盤として売り、それが日本のアマゾンでも買える場合は、MSIの販売価格からはなかなか下がりにくく、時にはとても高価になっている。新作の価格が通常のCD並みに低ければザッパの新作は日本でももっと売れて話題も大きいと思うが、ザッパ・ファミリーから通販で買えば送料がかなり高くつくため、今後もアマゾンから販売されない限りは同じ高価格が続く。もうすぐ世に出る『フリーク・アウト』発売40周年記念の4枚組CDは、BARFKO-SWILLに予約して2か月ほど前に先に1万円以上を銀行から引き落とされた。それとは1枚だけ共通する2枚組の40周年記念盤もあって、これは現在アマゾンで予約を受け付け中で、こっちは4500円ほどだ。ファンとしては4枚組も2枚組も聴かなければ40周年記念の音源をすべて聴いたことにならないから、この出費はよほどのザッパ・ファンだけが納得出来るものであるだろう。今後もこのような二刀流の商法が続くと予想されるが、それはかつてのザッパ・ファンが50代になり、それなりに経済的に余裕もあると踏んでのことかもしれない。そして、これは1993年のザッパがそうした商法の可能性を遺族に示唆してもいたとも考えられ、何となく割り切れない思いもしながらも仕方がないかというのがファンとしての本音だ。さて、次回はこの『トランス・フュージョン』の収録曲の中身について書く。
●アルバム『TRANCE-FUSION』解説、その1_d0053294_13090921.jpg

●2001年9月25日(火)夕
朝から出かけた。快晴で汗ばむほど。一日中ほっつき歩いてようやく帰宅。BGM用に今ラジカセでかけたばかりのCDは、モーツァルトのピアノ協奏曲第20番KV466、二短調。10枚組で買ったものだが、ロシアン・ルーレットのように適当に1枚選んだのに、最近聴いたのと同じものを選んだ。ま、いいか、名曲だし……。連日出歩いていて、筆者はいつ仕事をしているのだろうといぶかしげに思われる読者があるかもしれない。だが、心配御無用。ちゃんとせきものの仕事はこなしております。生地を染めた次は蒸して染料を定着させる必要があって、自分の家でもできないことはないが、長いものになると専門の業者に出した方が失敗がない。友禅染では蒸しの工程は最低2回は必要なのだが、今日はまず最初だ。それでバスで四条大宮にある工場まで持参した。数時間かかるので、その間はどこかで時間潰しをしなくてはならない。いったん帰宅すると、交通費が倍かかる。それでいつもきまぐれな予定を組んで、市内をあちこち回る。本日は京都市内北部の北野天満宮で骨董市がある日だ。京都ではこれと21日の東寺の弘法市とがセットになっていて、外国人や関東方面からの観光客もよく訪れる。筆者は北野天神には梅の咲く2月に毎年のように訪れるのが好きだ。梅の香りが園全体に漂い、まだまだ寒い中、梅昆布茶をいただくのは趣がある。満開の梅は春の訪れを真っ先に感じさせてくれる。東寺と北野天神とでは出店業者はわずかに違いがある。バスから降りてすぐに古本の出店が並ぶ道を進んだ。ビートルズのLP数枚が1000円均一。『ホワイト・アルバム』を手に取ると、1枚欠けていて、しかももう1枚は別の屑レコードが入っていた。他もこの調子。道路をわたって人込みの中、参道を進んでまず本殿へ。賽銭を投げ入れて参拝した後、黒牛の授与土鈴の価格を確かめた。1500円。しかも東寺で500円で買ったものより少し形が変わっていた。ここで筆者が気に入っている末社の話をするのもいいが、長くなるので割愛。参拝後は神社周辺一帯の出店で伏見人形をまた探した。高さ15センチほどの4、50年前の青い衣に梅鉢紋の天神さんが1500円で売られているのを発見。急いで買わずにひとまずぐるりと全店を見る。そして天満宮の大鳥居西100メートルほどに、40ほどの女性が経営するガラクタ屋があったことを思い出して、ついでにそこまで足を延ばした。すると真新しい和菓子屋になっていた。入口脇の商品展示のウィンドウには、何と今見たばかりの天神さんと同形の新しいものが飾ってあって、その姿がいかにも堂々としている。急に買うことに決め、先の店に戻った。手に取って見ると、青色が若干はがれ落ちている。しかし、似たものが別の出店では4500円で売られていることを確認していたので、1500円は買い得だ。値札を示すと赤銅色に日焼けしたおじさんは気前よく500円まけてくれた。北野天神に参って、骨董市で天神さんの人形を買うというのは何とも乙なものではないか。同じ店では、その天神人形のすぐ横に、昨日の丹嘉の飾り窓にあったのと同じ布袋さんが大中小の3体並べてあった。どれも大半は彩色が剥落し、埃で汚れ切っている。どう見ても100年は経っている。大が30センチ、小が25センチ程度。いくらかと訊ねると、3つ全部買ってくれるなら6000円だと言う。もう一度胡粉から塗り直して彩色するのもよいかと思う。しかしどうせ売れないだろうし、今日は手荷物もある。おじさんは東寺には店を出さないが、来月も同じ場所にいるという。それで来月まで考えることにした。東寺で見た同じものは1万円と言っていたから6000円は安い。どこも欠けた箇所がなく、制作は明らかに東寺のものよりはるかに古い。しかし3個も買うと、置き場所に困る。それに塗り直す時間もあるかどうか。
 天満宮を後にして京大近くのザッパのレコードをよく揃えている有名なレコード店にバスで向かった。途中古本屋で1冊買う。もう1冊ほしいものがあったが、重いので止める。レコード店では幸い店長がいたので少し話をした。紙ジャケCDは予約がいくつかあったとのこと。しかし全体に不況ムードで、ザッパの新譜のニュースもなく、何かぱっとした話題がほしいとのこと。同感。『大論2』が5500円になるので売れ行きが心配だと話すと、固定客は価格をあまり気にしないだろうということであった。本につける特典が何かあるのなら考えてほしいと言われたので、「(石原さんに)伝えておきます」と返事して店を後にした。電話で生地の蒸しが仕上がっているのを確認して四条大宮に戻った用事もだいたい済んで、バスで帰宅した。今日は電車に一切乗らず、徒歩と市バス1日乗り放題の500円券を使用したが、7回も乗車したから、3分の1の交通費で済んだ計算だ。帰宅すると、郵便物の中にUさんの手紙があった。一昨日か、Uさんの夢を見て、後2日で仕事が終わると筆者に語ってくれたが、それから2日経って手紙が届いた。正夢か。いつも細かい字で数枚の内容だが、今回はLPジャケットを縮小してCDサイズの紙ジャケを作ることの苦労話など中心に書いてある。なるほどとうなずいて読む。便箋代わりに、ディスク面デザインの初案をコピーした用紙の裏を使用してある。それを見ると、「雑葉」の文字やFZロゴの位置は発売されたものと同じだが、散らばるオブジェの向きや種類が少々違うのがわかる。見たり読んだりするのは誰でもできることだが、それをゼロから作るには、一般人にはわからぬ専門的な苦労がいろいろとあるものだ。プロというのはみなそういう腐心を日常的にこなしながら生活している。フリーターではそうは行かないだろう。そういった苦労をひとつずつこなすのがまた仕事の醍醐味でもある。「『大ザッパ論2』も今から楽しみですが、結局原稿はけずるんですか? ぶっちゃけた話、バカ売れする本でもないので、内容をけずって価格を下げるよりは、多少値ははっても質と量はキープした方が絶対にいいと思いますが。石原さんもそんなことは百も承知でしょうけれど、本をつくることと、売ることは別、ってところが悩みどころなんでしょうね」という意見も書いてある。明日かあさってにはゲラ刷りが届くはずだが、本職が後2日は充分かかる。ちょうど仕事がバトン・タッチできそうだ。しかし他にも期日迫る予定(収入仕事ではない)が3つほどあって、それらがうまく噛み合うかどうか。

by uuuzen | 2006-11-10 13:56 | ○『大論2の本当の物語』
●まぼろしのヒシの花 >> << ●マニマン人形、さらに

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