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2006年08月20日 ●第 65 話
マニマンは昨日の深夜、紙粘土のあまりでオニビシの偶像を作りました。実物のオニビシより少し大きくし、目鼻をつけたところ、悲しそうな老人の表情になりました。バス・タブのオニビシの思いが乗り移ったのでしょう。この偶像がオニビシの元気回復の元になってくれるか、それとも墓碑になるのか、もうバス・タブのオニビシの葉はほとんど取れてしまいました。でも生き物は可能性がわずかでも諦めません。粘土細工のオニビシ・イコンは、祈りが目的です。それには、目に見える形でよくわかる場所に置かれるのがいいのです。最初マニマンは面白半分でボウフラの偶像も作ってみようかと思いました。でも主役はオニビシですし、ボウフラは細長く水中で立つので造形は困難です。それにボウフラの偶像を拝みたいニンゲンはいません。嫌われ者は永遠に嫌われ者です。マニマンは自分も多少嫌われていることを知っていますが、より嫌われることはやはり嫌いです。そんなことを考えながら、出来上がったオニビシ・イコンを見つめます。ナムアミダビシ、ナムオニダビシ、オニオニダビシ……。
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