●リチ・上野=リックス
い先日『真美』という古い雑誌を入手した。本当はそれはどうでもよかったが、目当てに買った本のおまけとしてつけてもらったのだ。



d0053294_2103288.jpgところが目当ての本は帰宅して中を見ると、その昔勤務していた染色工房に置いてあって、当時よく繙いていたものであった。拍子抜けした。せっかく重い本を安値で買えたと思っていたのに、これなら置き場所に困るだけのようなものだ。それで、今度はどうでもよかったおまけの雑誌を開いてみたが、これがいろいろと面白い。今夜はそこから思いつくまま書く。この古雑誌『真美』は昭和3年(1928)10月の発行だ。もう70年近く前だ。だが、本の状態はとてもよい。染みはあちこち出ているが、とても70年前のものとは思えない。簡単に言えば、呉服問屋が発売していた染色関係の記事や論文、それに新しいキモノの展示会の報告などを載せた雑誌で、業界誌だ。発行していた呉服問屋はつい10年ほど前に廃業したと思うが、それも時代の流れだ。キモノ離れが著しく加速化し、この35年で京都におけるキモノの生産高は確か200分の1に激減したと新聞が伝えていた。分業を旨としていた友禅染め、特に捺染めはなおさらで、シルクスクリーンの型を起こして同じ柄を量産することなどほとんど行なわれなくなった。それでも一部の企業だけは残るから、そうした型染めの安価なキモノは、もっぱら成人式の振袖生産で安泰の状態にあるはずだ。全工程を人手に頼る手描き友禅はまだ不況にはあまり関係ないと言えるが、それでもこの30年間、染価はほとんど上がっていないも同然で、しかも注文が激減してどの作家も生活は思わしくないだろう。それはいいとして、『真美』からはまだのんびりとした感じが漂う京都の呉服業界の空気が伝わって、雑誌1冊丸ごとの中に妙にいとおしさを覚える。印刷にしてもコロタイプと3色版とが別々の印刷会社が担当し、さらに本文やオフセット印刷はまた別の会社がやっているから、なかなか大変なものだ。印刷の違いに応じて趣も当然変わるが、それらが60ページほどに同居している。表紙は銀を使用した木版画調の味わいで、今ではかえってこうした印刷は割高になるだろう。雑誌の前半は新作キモノの紹介で、ページ毎に題名やちょっとした説明を印刷したうすいハトロン紙が挟まれ、豪華さが演出される。だが、どのキモノもまるで時代遅れでセンスがないように見える。実物はそうではないかもしれないが、それでも柄が大ぶり過ぎる。平均身長が現在よりはるかに低かった女性がよくもまあという気がする。
 前半はいいとして、後半はさまざまな論文やエッセーだ。ページを順に繰って、いろいろ面白いことにぶつかったが、あまりに専門的かつ私的なことになるので、今回はひとつだけ触れよう。それは雑誌のちょうど中央、つまり前半の新作キモノ紹介が終わったすぐ後、この雑誌の本文が始まるという体裁で扉のページがある。その中央はモノクロでハガキより一回り小さい図版が印刷されている。図版上部には「真美」、その下は右から「第五巻・第三號」とある。それもどうでもいいのだが、図版は見た一瞬記憶が蘇った。キャプションは「DESIGNED BY LIZZI UENO-LIX」とだけある。この人物は誰か。どの国の人間か。昭和3年10月に発売された京都の一企業が発行した染色雑誌にこの横文字は一種違和感を持って迫る。昭和3年と言えば、壺井栄の『二十四の瞳』の時代だ。戦後間もなくして撮られた映画を見ても、その自然がまだ汚染されずにそのまま残る田舎ぶりに驚かされたが、小説が舞台となったその時代の京都では、すでにヨーロッパで最先端のデザインが紹介されていたわけだ。『二十四の瞳』では女学校出立ての大石先生がモガと村民からささやかれて敬遠される場面があったが、この『真美』を見れば、モダンさが田舎にも波及していたであろうことはよくわかる気がする。さて、LIZZI UENO-LIXは、名前が英語読みでは「リジー」で、これはビートルズが歌う「ディジー・ミス・リジー」のあの「リジー」だ。モノクロ印刷であるのでよさがあまりわからないが、それでもこの雑誌の中では飛び切り別世界の図案であることは現在の目から見てもよく実感出来る。70年前のデザインとは到底思えないと言えばよいか、あるいは当時のヨーロッパ、特にウィーンのデザインは本当に芸術味が溢れていたと言うしかない。ウィーンの世紀末芸術は日本でもここ2、30年は何度も展覧会が開催され、大抵の美術ファンはどういう内容かは知っている。だが、リチ・上野=リックスの名前を知る人はあまり多くはないのではないか。
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 筆者が彼女の名前を知り、展覧会を見たのは1987年10月のことだ。もう20年近く前のことになる。その時の衝撃はよく記憶する。京都の比燕荘という、その後再度訪れてはいない場所で展覧会が開催されたが、図録はなかなか洒落たデザインで、表紙は銀色で微細な立筋がたくさん入った紙に、リチさんのデザインしか花柄模様がエンボス加工されている。これだけでも高価な雰囲気がありありとしていて、この図録を何年かに1回手に取りつつ、いい気分に浸れる。表紙込みでも5ミリほどの厚さで、1000部限定、筆者のは316と番号を振ってあるが、5000円した。買おうかどうか迷ったが、古書では絶対に出ないと踏んで買った。買うか買わないか迷った時は絶対に買うべきなのだ。で、そのぱらぱらとページを繰るだけで、リチさんの素晴らしいデザインに心がほぐれる。どうしてこんな素敵なデザインが出来るのだろう。この思いは20年間変わっていない。だが、驚いたことに、筆者が感心するそのデザインと全く同じものが、昭和3年に発行された『真美』に1点使用されていたのだ。昭和3年と言えば、まだ筆者の母親は生まれていなかったが、すでにリチさんは今も人を打つ斬新で温かいデザインをしていたわけで、本物の芸術家の永遠なる仕事を思わないわけには行かない。だが、昭和3年の京都の呉服業界のどれほどがリチさんのデザインに感服したであろう。いや、感服はしたが、それを日本のキモノに応用することは出来なかったのだ。それほど異質であったと言ってよいし、今でもそうだ。リチさんの芸術はウィーン生粋のものであり、それを多少改変したところで、日本風のものは作り得ない。ここで、富本憲吉の模様から模様を造らずという戒めの言葉を思い出す。ヨーロッパにわたった富本はリチさんのようなデザインはたくさん見たことだろう。そして歯ぎしりしたと思う。そんな格闘の中から富本は独自の模様を生み出した。だが、今富本とリチさんの模様を並べて思う時、時代を越えているのはリチさんの方に思える。それは好き嫌いに根ざしたものであるかもしれない。だが、そもそも好き嫌いを起こさせて区別する精神が生まれて来るところに、芸術の持つ力の差のようなものがあるだろう。
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 リチさんは不思議な存在だ。女性であるからよかったのかもしれない。1989年11月にセゾン美術館で開催された『ウィーン世紀末』と題する展覧会で彼女の作品が少し紹介されたが、その時はFelice Rix(-Ueno)と英語風の名前が記された。彼女は1893年ウィーン生まれ、1967年京都で亡くなった。同図録から少し引用する。「…ウィーン工房のメンバー。何度か日本に滞在し、1935年より定住。1949年から63年まで京都市立芸術大学の教授をつとめる。上野伊三郎とインターナショナル美術専門学校を創設。また群馬県高崎の工芸試験場で試作する。…ウィーン工房では陶磁、テキスタイル、ガラス彩色及び陶磁器の装飾、真珠工芸、彩色された木箱小箱などを製作…」。同図録ではリチさんの師のひとりヨーゼフ・ホフマンの作品が大きく紹介されていることもあって、リチさんの作品はほとんど目立たない。また選択もよくない。だが、87年の比燕荘での展覧会で買った図録は彼女の魅力をあますところなく伝え、『ウィーン世紀末』といったような総花的な展覧会がいかに細部に光を当てずにつまらないかを示してくれる。筆者が買った『真美』が発刊された頃、リチさんは日本にいたのかどうかわからない。だが、当時すでに上野氏とは結婚しており、上野氏が『真美』の同号に原稿を寄せているところから、彼女も日本にいたことだろう。同号の編輯後記にはこうある。「扉の冩眞は上野伊三郎夫人上野LIZZIさんの圖案です。…ウィンに於ける有名な圖案家の一人で、とても豊かな明るい色彩と、流れる微風の樣な美しい線との持主です。描かれる花や、蝶などの夢幻的な形態も、非常に透徹した實相の顴照から生まれたものと思はれます。…寫眞萬能の日本染色圖案界へ何か貴い暗示を與へるものではないでせうか」。上野氏の文章は「新時代の圖案」と題するもので、5ページにわたる内容は、リチさんのことにも触れつつ、和服姿がまだ男女ともによく見られた時代らしくありながら、今でもそのまま通用するものとして非常に興味深い。「…一般に現代の圖案は昔のものに捉はれ又、他方には外國の形に捉はれすぎている。即ち模倣に堕している。…模倣は如何程上手に行はれてもその作品は藝術とは申されない」「藝術といふものはその作家の心から滲み出るものでなければならない。或藝術品を見ればその作家の面影がほうふつとして浮んで來るものであります」「圖案構成の材料に就きましても現在では古典から取るか、自然物模冩かの二つしかないようですがもつと創作的な自由な圖案を造るように心掛けてほしいものだと思ひます」などとあって、大体苦言に近いが、この70年間、少しも事情は変化していないことを思い知る。むしろ、京都の染色業界における図案というものはほとんど新しいものを何も生めなくなっているほどだ。
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 リチさんの図案は線の繰り返しを生かしたものが目立つが、色彩感覚も優れている。昨今の絵本でもいくらでも見るような感じの色合いや形をしたものも多いが、派手さを抑えた渋い色合いのものは、日本の利休好みと言おうか、深い味わいをたたえて見飽きない。また色だけではなく、独特の模様の形態感も一見してリチさんのものと認め得るものがあり、これが並みならない才能を思わせる。『真美』のわずか1ページの小さな図版が即座に彼女の作品とわかったのであるから、際立った個性を持ったデザイナーと言わねばならない。図録によれば、彼女は日本各地の建物で壁画を担当している。現存していないものもあると思うが、東京の日生劇場地下レストラン「アクトレス」はどうなのだろう。1962年に描いたもので、時代に則した古いデザインと言えばそれまでだが、かわいい花畑を描きながら、何という高貴な気品が漂っていることか。それにしても彼女は日本に長年住んで日本的デザインをどう思っていたことだろう。『真美』に掲載された彼女のデザイン画を見て、当時キモノ図案に変化を来したことはまずなかったであろう。また、彼女が亡くなるまで若い頃と同じ感覚の絵を日本で描いていたならば、住む国を変えても芸術家に影響を与えないことになり、これは何だか不幸なことに思える。富本憲吉が結局日本のさまざまな伝統を吸収して表現したように、芸術家は自分の血にしたがって、その範囲内でしか創作出来ないものなのかもしれない。リチさんの芸術は今日のウィーン人が見ても同じように印象を抱くと思うが、案外そうしたウィーンらしさを生涯保ったまま日本で生を終えたため、彼女の仕事が日本ではあまり紹介されることがないのかもしれない。もし、彼女がずっとウィーンにいたままであれば、日本人はその芸術をよりありがたがったと思う。おかしな話だが、それだけ日本ははまだまだ欧米のものに劣等感があるということか。それにしても70年という年月では一級の芸術は何も変わらないことを痛感する。
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by uuuzen | 2006-09-25 23:58 | ●骨董世界漂流記 | Comments(23)
Commented at 2018-09-14 22:15 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by uuuzen at 2018-09-15 00:10
12年前の投稿に目をつけていただきました。メール・アドレス宛てにお返事する前に、まず本を探しました。リチさんを取り上げた展覧会はその後、京都国立博物館でありましたが、その時の図録は比燕荘での展覧会図録に比べて作品の魅力を伝えるには不充分なものでした。さて、展覧会の図録は即座に見つかりました。一方の業界紙の『真美』は染色関係の本をまとめている場所を汗(風呂上りでしたがまたサウナに入ったようになりました)と血(何かの角で擦って腕が傷つきました)と埃(これは当然)まみれになりながら探したのですが、見つかません。本の全体的な保存はピラネージの「牢獄」状と化しております。運がよければその日のうちに、そうでなければ1、2年後にひょんなところから出て来るという状態です。最近も半狂乱になって1冊を探し続け、結局諦めましたが、2,3か月に分厚い本の間に挟まっていることが判明いたしました。それはまだいい方で、長年探しているのに出て来ない資料がいくつかあります。『真美』は投稿以降、手に取った記憶がありませんが、本を捨てることはここ40年はしておりませんので絶対にどこかにあります。見つかり次第、ご連絡いたします。
Commented at 2018-09-15 13:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by uuuzen at 2018-09-15 22:51
> erichさん
今日は朝と昼間、記憶をたどってかなり探し回りましたが見つかりませんでした。その代わりにこういう本を持っていたのかという発掘品がいくつかありました。明日は倉庫代わりの隣家を探します。そこにも同じくらいの本がありますが、大半の本は積んでいますので、薄い本は見つかりにくく、長期戦になるかもしれません。ジャンル分けはいちおうしているのですが、まとまっているべきシリーズ本を分散して置いていることもままあります。今日は所有する本を全部本棚に収めたいという無駄な夢をまた思い描きました。
Commented by インカの道 at 2018-09-17 14:46 x
『ロキシー&エルスウェア』の「ダミー・アップ」に登場するデジネックス・バーガーとは実際にあったローカルなハンバーガーショップなのでしょうか?何処にも情報が無いので気になっています。
Commented by インカの道 at 2018-09-17 15:41 x
連投ですみません、"ROXY & ELSEWHERE"の"Penguin in Bondage"のギターソロはロキシー公演の12/8のテイクからの抜粋だと記事が更新されていました。私はDLで12/10の1stと2ndショウしか聴いていないので、未確認です。サンプルではソロを聴けないので分かりませんが、お聴きになって判明されてましたか?ならば何故、FZ Discographyからシカゴオーディトリアムのクレジットが削除されていないのか・・・
Commented by uuuzen at 2018-09-17 23:28
「ダミー・アップ」の歌詞はホテルのルーム・サーヴィスについてのもので、「ビリー・ザ・マウンテン」でフロ・アンド・エディと漫才のようにかけ合ったことを新メンバーで実行した曲です。歌詞には演奏する都市ならではの、地元住民に馴染みの事柄を織り込むことがあったのでしょう。そのため今となってはわからない固有名詞が出て来ても不思議ではないです。「拘束ペンギン」のギター・ソロは12-9つまりディスク1のヴァージョンと長さもぴたり同じ2分3秒です。『ロキシー・アンド・エルスウェア』におけるロキシー以外の2か所(シカゴととペンシルヴァニア)で収録された曲は、7枚組『ロキシー』に含まれないもので、これは2枚組LPの第3面ということになります。そして「拘束ペンギン」は、少なくてもギター・ソロはロキシーでの演奏です。
Commented by インカの道 at 2018-09-18 19:14 x
回答ありがとう御座います、ルームサーヴィスの事でしたか。さらにググってみましたが、実際にあったバーガーショップだったかも知れないけれども、デジネックス・フットスプレーと言う抗菌薬がありました。上記Amazon.comのリンクを参照して下さい。
このスプレーのブランドの事で足に関連しているとなると、次年の"Stink Foot"へと概念継続となりますね。

"Penguin~"は"The ROXY Performances"の12/9ですか?12/8ではないのですね。今年中に7CDBOXを買えれば良いのですが、薄給なので来年になりそうです。(笑)
Commented by uuuzen at 2018-09-18 20:20
確かに7枚組といったボックス・セットは高いですね。『ロキシー・アンド・エルスウェア』とは音がかなり違いますから、その点は素材集として楽しめますが、「オー・ノー」やそのギター・ソロがないのが物足りないです。8-12というのは間違いで、7枚組には9-12以降のライヴが収録されています。この時期の演奏が好きな人にはいいですが、何度も聴くにはやはり『ロキシー・アンド・エルスウェア』で、生前のザッパが発売したアルバムは本当にいいところだけを取り出していたことがわかります。
Commented by インカの道 at 2018-09-29 22:38 x
やっぱり"Penguin in~"は1973/12/8じゃないですか!(笑)クレカで利用可能額が6,000円に満たないので、アマゾンのMP3ファイルを12/9と併せて買いました。音質は仰る通りに、FZがオフィシャルアルバムをかなりシェイプしたので確かに若干迫力不足ですね。

新人の女性ピアニスト、面白そうですね。ピアノだけだと知っている曲も「あれ?」と思い出せない曲もありました。ジャズピアニストの上原ひろみは"Waka/Jawaka"がお薦めだと言ってましたが。
Commented by uuuzen at 2018-09-30 11:27
間違った理由がわかりました。ブックレットで表示されるDISC1が9日の演奏です。それが観客を前に演奏した最初です。そしてぼくが聴いたのはDISC7でした。盤を収める紙袋の裏に印刷される1と7がとてもよく似た書体で、1と思って聴いたのが、8日の非公開の演奏の7でした。それは7枚組では最後に収録されましたが、演奏順で言えば1となるべきです。ピアノによるザッパ曲のカヴァーは曲名を思い出すのに頭をひねることがよくありますね。そして思い出した時は新鮮な驚きを感じます。ザッパ曲の音色を変えての演奏はまた別の面白さがあります。
Commented by はたなか at 2018-10-11 00:35 x
大山様
ご無沙汰しております。神戸のはたなかです。
素敵なお便り、ありがとうございました!
WEBからの返信で失礼いたします。

武田理沙さんの情報、貴ブログにて把握していました。
10/26は馳せ参じようと思っています。
演奏は元より、対談も楽しみにしています。
金森さんとも久し振りにお会いできそうです。

今からワクワクです。
よろしくお願いいたします。
Commented by uuuzen at 2018-10-11 13:02
関西在住のザッパ・ファンの知り合いとして真っ先に畠中さんを思い出しました。金森さんのおかげで武田さんの演奏が間近で楽しめ、ザッパ・ファンの集いも実現します。
Commented by インカの道 at 2018-11-10 22:29 x
間違いと言えば、オフィシャルビデオで"The True Story Of 200 Motels"収録のロキシー映像のクレジットが73年11月となっていましたね。FZ本人なのかどうかは知らないですが、人間なら間違いも起こりうるでしょう。250円は私には決して安くは無いですが。(笑)

1ヶ月ほど前にスマホ決済でポイントが1,500ほど貯まっていたいたので、7CDBOXを5,000円強で買えました。途轍もないヴォリュームで未だに全貌を捉え切れません。が、『ロキシー&エルスウェア』はサウンドチェックの音源から多く構成されているようですね。Disc7の"Pygmy Twylyte /Dummy"から"Dummy Up"へ編集して収録。"Penguin in Bondage"のギターソロはドラムス、ベース、等各楽器のバランスとEQ処理をしてグッと迫力を持たせています。

立て続けに買えないので、ずっと気になっていた'77年ハロウィーンの"Black Napkins"を単曲で購入。昔買ったブート(ブート本HOT WACKSから調べて"The History And Collected Improvisations Of Frank Zappa And The Mothers Of Invention[10LP]"と判明)からテープにダビングしたのを聴いてて記憶してたんですが、テーマフレーズが終わってからVCF(ヴォルテージ・コントロール・フィルター)が掛かった状態が暫く続いて、映像ではパトカーのオモチャの音が被さり、その後は変わらずでした。DLしたのはテーマフレーズが終わって、ノーマルで少しフレーズが続きVCFエフェクトに突入。と言う新発見がありました。
Commented by uuuzen at 2018-11-11 10:18
7枚組はまだあまり聴いていません。『ロキシー・アンド・エルスウェア』の方が音もよく、聴きやすいからでもあります。ライヴに手を加えて、音を変化させたり、加えたり、また不要箇所を切り捨てたりすることは、レコードという性質からザッパは当然と思っていたのでしょう。そういう違いがザッパ没後にどんどんわかって来ていますから、ビートルズの全録音記録のように、今後はそういう分析が増えて行くでしょう。それもザッパの本質ですが、ソースが膨大であるだけに、微に入り細に入りの研究には限界があります。ぼくはそのことでより重要な本質を見失ってはならないと思う立場にあります。
Commented by インカの道 at 2018-11-11 15:26 x
本質とは?どう言う事ですか。最近ライヴハウスで若い方のライヴに接して、記録された物には意味が無いとの見解でしょうかね?あいにくと私は兄弟から母親の面倒を押し付けられているので、自分の自由になる時間は3~5時間が限度です。例えを出される時はいつもビートルズですね。私は解散時が小学生低学年で「サザエさん」のCM=東芝ICボストン(セパレートの4チャンネルステレオ)でそれがビートルズだと知った程度ですし、何かと言えばビートルズ、と言う風潮が気に入りません。元々天邪鬼な心を持っていますし、世代が違えば当然影響を受けるバンドも違うのは当然なのですがね。
Commented by uuuzen at 2018-11-11 16:04
本質とは生前のザッパが出したアルバムを前提にして見えて来ることです。ザッパは多くの録音から厳選した音源をアルバム化し、残りはゴミと言いました。ザッパをあまり聴き慣れない人がいきなりロキシーの7枚組よりも、まずは『ロキシー・アンド・エルスウェア』を聴くことがよく、7枚組はその補足という意味において、より本質的でないという意味です。ビートルズによってその後のミュージシャンが多大な影響を受けましたし、彼らのアルバムを逐一じっくりと聴き込むことで見えて来ることは多いです。それでも、誰しも聴く聴かない自由はあります。ぼくがモーツァルトは聴いてもほとんどベートーヴェンを聴かないことと同じです。
Commented by インカの道 at 2018-11-11 17:20 x
彼ら(ビートルズ)に関して、FMチェックでは録音しているので全く知らない言う訳では無いです。ただ、演奏スキルに於いて同時代にはもっと優れたバンドがいました。ライトゲージが普及する前と言うのも関係するでしょう。3弦がワウンドで、優れたミュージシャンはバンジョーの弦を3&2弦に張ってチョーキングをしやすくしていたと聞いています。

JASRACに関する投稿で、田中正美のFM番組でFZを知ったと書いてありましたが、「ビート・オン・プラザ」でしょうか?だとしたら、あの番組には私も大変お世話になりました。アルバム全部を丸ごと紹介してくれる有り難い番組でした。
Commented by uuuzen at 2018-11-11 17:38
技術だけで有名になれないところがショー・ビジネスの世界で、ビートルズが世界的に売れたのはルックスというアイドル性やマネージャーの力も大きいです。そして一旦突破口を開くと、後は自信がついて創造性を大いに発揮して行くことがあります。その意味でビートルズは幸運で、その運を呼ぶところも才能と見る人がいます。結局は有名になった者勝ちということですが、そうは見ない人もたくさんいますから、音楽業界にかかわらず、いろんな人が活躍出来る余地があります。
Commented by インカの道 at 2018-11-23 14:53 x
「パンキーズ・ウィップス」についてお聞きします。uuuzenさん著アルバムガイドでは、ワーナーが訴訟を起こされる事を危惧して収録をはずしたがFZは『問題が生ずる恐れが無いよう措置を講じていた。』とだけ書かれてありますね。過去のMSIのライナーや「ザッパ・ヴォックス」にも書かれていたと記憶しているのですが、口答では証拠が残らないので手紙のやり取りでしょうか?

「イン・ニューヨーク」の内側写真は来日公演の楽屋の写真ではないでしょうか?"ONGAKU"と言う雑誌も音楽専科でしょうし。
Commented by uuuzen at 2018-11-23 15:52
来日公演の際にテリー・ボージオが『音楽専科』を見た可能性は大きいと思いますが、提供したはずの日本の誰かの思い出が発表されない限り、その経緯についてはわかりません。そのため、写真は雑誌をアメリカに持って帰って撮った可能性はあります。ただし、ツアー中でのことなのでテリーも覚えていないでしょう。またザッパがそのパンキーの写真から想を膨らませて作曲したとして、それ以前にエンジェルというグループを知っていたことも考えられます。確かパンキーのインタヴューがありました。ザッパがパンキーについて歌い、またレコードに収録する前にエンジェルに伝えたことは、エンジェル側から表明されていたと思います。ザッパは同じ音楽仲間としてエンジェルを扱い、またエンジェルは有名なザッパによって大いに宣伝してもらえるのですから、ワーナーのいちゃもんが入ったことで、改めてワーナーに対して気分を悪くしたのが実情でしょうが、ワーナーとすれば、ザッパとエンジェルとの間で口約束ではなく、誓約書のようなものがない限り、ひょっとすれば訴訟を起こされるかもと危惧したことは理解出来ます。アメリカは何でも訴訟の国ですが、そこでザッパはその手口を使ってワーナーに勝訴しました。その訴訟趣味をゲイルが引き継いだことは、ザッパ・ファンに取ってはいささか苦々しいところもありましたが。
Commented by インカの道 at 2018-11-24 20:50 x
回答ありがとう御座いました。誓約書はやはり作っていたのですね。エンジェルとして、クラブでプレイした晩にFZ邸で逢って彼の本物の才能を知り、後日LAのマネージャーから「テリー・ボジオがパンキーについての曲を書きたいって。」と言われ「勿論!僕にはクレイジーなFZファンの友達がいるからね。」と言ったそうですね。

http://wiki.killuglyradio.com/wiki/Punky_Meadows_-_Heavenly_Guitar

MSIのライナーに載っていたと思うのですが、"Punky's Lips"が元タイトルでアーメットだか、その幼友達だかが"Lips"と言えず"Whips"になってしまうので"Punky's Whips"にしたと書いてあった記憶があります。
Commented by インカの道 at 2018-12-08 20:33 x
"Can't Afford No Shoes"のギターソロは八木康雄さんが国内ライナーを担当した時に、フレットレス・ギターか?と書かれてたんですがワザと調子っぱずれな感じを出してるので、スライドギターかも?と思いました。

FZ Discography のリンクにFZのインタヴューが載っていて「アコースティック社のフレットレスギターで、バーカスベリーのピックアップを搭載してある。」とありました。

http://globalia.net/donlope/fz/notes/Zoot_Allures.html#Torture

"San Ber'dino" と"The Torture Never Stops"でも使用されたらしいです。国内ギタリストでは、カシオペアの野呂一生が'79年の2ndアルバム「スーパー・フライト」で 初めて使用したので、何に置いても先駆者だったと言えますね。


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