2006年06月26日 ●第　１１　話





ぼくらのマミーがたっぷりと血を吸えば、体の重さは２倍になるけど、赤く染まったその体の何ときれいなこと。マミーは次の産卵仕事が待っているというのに、ニンゲンは見つけしだい、徹底して拍手と同じ格好をしてぼくらを叩きつぶす。宇宙で一番残酷なのはニンゲンだ！ 両手をぱんと打ち合わせることは、日本人は柏手を打つと言って、神様に感謝を表明して願いごとを唱える時っていうのに、それと同じ仕草でぼくらのマミーたちを圧死させるのだから、神様に対して冒涜的もいいところだ。相手が蝿だったら、手の中でつぶれて汚いと思っているから絶対にそんなことはしないさ。頼むからマミーたちを叩き殺さないでくれよ。どうせ吸われた血はマニマンの中には戻らないよ。吸われた後のかゆみが我慢出来ないなら、それは見当違いだね。かゆいところをかけば気持ちいいだろう。そんな快感を与えてもらっていると思えばいいのさ。この考え、正しいだろう？
（仁丹のメロディで）♪ボンボンクラクラ・マニマンマン、ぼーくらはボウフラ、ボウフラランランラン。
♪みーんなそろって兄弟さー。