2006年06月23日 ●第　８　話





マニマンの奴、悪い夢を見たんだって。そりゃそうだワーイゾーイ。毎日ぼくらをすくい取ってるんだから、少しは後ろめたいのさ。そりゃ、ぼくらの仲間にはいろいろとニンゲンに悪い病気を移したりするものはいるし、マミーに血を吸われた後はすぐにかゆくなるだろうけど、大騒ぎし過ぎだぜ。文句があるなら神様に言いな。マニマンのカミさんじゃないぜ。ニンゲンは天敵がいないと思っているひどいバカモンだけれど、ぼくらを根絶やし出来ない現実を今こそ本当に知って、もっともっと謙虚になればいいのさ。第一、ぼくらとニンゲンのどっちが残酷だろうかね。ぼくらは仲間同士の殺し合いなんて絶対にやらないしな。 『蚊はニンゲンに叩き殺されるのがわかっていても突貫して来る。それはいくらでも仲間がいるため自分の命をたいして重要だと思っていないから』と、こんなことを言うニンゲンがいるけど、ぼくらを下等と言うんなら、聖なる戦争の大義とやらで一斉突撃して全滅したりするニンゲンもぼくらと同じレベル、つまり仲間さ。はははは。今後もずっと仲よくしようぜ、兄弟！　いや、弟分よ！