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2006年06月17日 ●第 2 話
ぼくの名前はマニマンです。体は黒いですが、暗闇では輝いて見える、つまり黒光りしています。夜明け直前のまだ誰もが眠っているような暗い中をひとりで散歩するのが趣味です。そんな早朝では呼びとめて尋問する人もいないからです。というのは嘘で、マニマンはそんなに早起きではありません。真夜中に夢中に歩く夢をよく見るので、ついそんな想像をするのでした。さて、今朝もまたボウフラをすくい、そして救いました。全部救うとバス・タブはボウフラのゆらゆら帝国になりますから、適当に間引くのです。マニマンを天上に発見した時のボウフラの急降下速度たるや、一瞬にしてバス・タブの底の泥に混じります。そこでマニマンは考えます。そのままじっと待つか、すぐに退散するか。というのも、やがてボウフラはまた上がって来ますが、それを待つ間にバス・タブに卵を産もうとやって来るモスキートが、「血、吸うたろかー」とうるさくつきまとうからです。実際ボウフラすくいの後はいつもあちちこちかゆくてたまりません。水中のボウフラ・ダンスを見ても、全部はすくわず、いやすくえずです。
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