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●健気に咲き続ける白薔薇VIRGO、その52
薔薇か 開き切らずに 首垂れ 気温不足で 目覚める気なし」、「ありがとう 今年も笑顔 見られるね 放ったらかしも 白薔薇死なず」、「咲くたびに 必ず写真 撮りためる 年に二十も 咲かぬ薔薇」、「乙女座の 名前の薔薇よ 吾に咲け 白き小さき 命短し」
●健気に咲き続ける白薔薇VIRGO、その52_d0053294_01293574.jpg 今日の最初の写真は先月8日の撮影で、今年初めての開花だ。蕾からなかなか開き切らず、10日経ってようやく2枚目の写真のようになり、そのまま枯れた。もうひとつついていた蕾は3枚目の写真のように開花した。これは3月30日の撮影で、VIRGO品種とは思えない形だが、これ以上は整った形にならず、やはりそのまま花弁の周囲が褐色を帯び始めた。2023年の5月5日の「その36」の投稿以来、相変わらず裏庭の白薔薇は春から秋の半年の間に咲き続け、必ず撮影する開花の写真は「その37」から「その51」までの分を保存している。今日は3年ぶりの投稿だ。本当は「その37」とすべきだが、撮りためた写真は投稿すべき順序の番号がある。それらを重んじて空席のままにする。今後遡っての投稿はしないかもしれないが、なぜ「その36」の投稿から3年も空いたかと言えば、たとえば「その36」の投稿からわかるように、ビーフハートの曲から気になるものを選び、その歌詞の対訳を投稿の最後に載せていたのが、次にどの曲を選ぶべきかわからなくなったからで、それで白薔薇の写真も使えなくなった。わからなくなった理由は、ビーフハートの曲で最も好きなものは最初の方に取り上げたからだ。とはいえ、数曲載せたそれらの投稿は題名が「健気に咲き続ける白薔薇VIRGO」であるから、ほとんど誰からも注目されなかったに違いない。第一、日本でビーフハートの曲を熱烈に好きという人はどれほどいるだろう。筆者も熱烈にその音楽を好むというほどではない。だがビーフハートをやはり紛れもない特別の才能であると、たまに思い出す。来月9日は京都のDEWEYでザッパニモヲのライヴがあって筆者は前座として30分ほど語るが、その内容は今月7日に届いたザッパの最新アルバム『ボンゴ・フューリー50周年記念盤』についてとなる。そのアルバムを何度か聴きながら、ビーフハートが書いた曲がひとつだけあって、その歌詞を訳しておこうという気になった。51年前に筆者は輸入盤のLPで『ボンゴ・フューリー』を買い、その日本盤でその1曲がどのように訳されたのかは知らない。題名は「角刈りのサム」と訳されたと記憶するが、CD化でも同様であったかもしれない。CDでの対訳はすぐに見つかるが、それを一切読まないまま自分で訳した。対訳だけでは意味がわかりにくいとすれば、それは歌詞から正確にイメージを思い浮かべていないからだ。「詩」であるから「感じ」を訳すことが出来ればそれでよいという意見はあろうが、勘違いの訳は少なくないだろう。
●健気に咲き続ける白薔薇VIRGO、その52_d0053294_01300492.jpg ビーフハートの詩は画家の眼差しが強く感じられ、色そのものや色や光に因む単語がとても多い。今日取り上げる曲「SAM WITH THE SHOWING SCALP FLAT TOP」はその典型と言ってよい。この曲をステージで演奏した当時、ビーフハートもザッパも30半ばであった。筆者はその倍以上を生きているので、30半ばは青年のように思うが、表現を生業にしている者ならば、30半ばで代表作をいくつも作り終えている。音楽家の場合はその年齢で死んでいる場合は多い。当時ビーフハートが自身をどう考えていたかは、この曲の短い歌詞から浮かび上がる。つまり青少年時代の回顧だが、歌詞前半はミュージシャンとして黒人の音楽を模倣して名曲を生もうともがいていたことを描き、後半は題名にあるように、絵を描く鉛筆を収めたバスケットを大事にしていたことを謳う。その画家を目指す行動が『ボンゴ・フューリー』が録音された1975年には、音楽行為以上となってつながっていたことがわかる。もっとも絵を描く一方で詩を書いていたらしく、その最新作が本アルバムで披露された。以前のような自身のバンドのマジック・バンドを持たず、ザッパとマザーズとともにツアーに出る前に練習したはずだが、ほぼ即興に近い形でザッパの指示の下でマザーズが演奏した。たった一例のコラボで、奇跡的に生まれた曲と言ってよい。それは曲の最後の言葉からアルバムの題名が採られたことと、ビーフハートの20年近い昔の生活の回顧は、同じアルバムに収められたザッパの若き頃の音楽活動に因む曲「クカマンガ」と対になっていると言ってよいからだ。つまり75年はビーフハートもザッパも昔を思い出し、ビーフハートは音楽から絵画へ関心を移したこと、ザッパは音楽一辺倒の生活であったことがわかる。75年のビーフハートが作画中心の生活であったとして、それは音楽では飯が食えず、絵ならばひとりでいつでもどこででも描けるからで、金欠で困窮していたビーフハートをザッパが声をかけて同じステージに立つことにしたのは、高校時代の親友を助ける意味以外に、テキサスでライヴをして南部の住民を風刺する目的もあったからだろう。その傾向は70年代に入ってカウボーイを茶化す曲に見られ、その勢いが本アルバムでひとつの頂点に達した。そこには南部における人種差別や人々の頑迷さに対する呆れの思いがあったが、ビーフハートもザッパもブルースで育ち、それを糧に音楽を作ったから、テキサスでのライヴは敵陣に乗り込んでの賭けであったようなところがあった。また音の響きを南部らしくするためにはテキサスが最適であったのだろう。しかしビーフハートはザッパのように南部を風刺する好みはなかったように見える。ザッパのように気に入らない相手に喧嘩を売るようなところはビーフハートになく、目の前にある自然をそのまま受け入れて愛した。そしてザッパより長生きした。
●健気に咲き続ける白薔薇VIRGO、その52_d0053294_01303346.jpg

Sam with the showing scalp flat top てっぺんが平らなサム
Particular about the point it made 特にそのように作られている
(I got it) (わかった)
Why, when I was knee-high to a grasshopper なぜか、オレの幼ない頃
This black juice came out on a hard shelled chin この黒いジュースが堅い顎に流れ出た
And they called that "tobacco juice" つまり「タバコ・ジュース」だ
I used to fiddle with my back feet music for a black onyx オレは黒いオニキスにしたく、自分の音楽をよくいじくった
My entire room absorbed every echo 部屋全体に響きわたった
The music was . . . thud like 音楽は…ズシン
The music was . . . thud like 音楽は…ズシン
I usually played such things as rough-neck and thug オレはいつも荒くれ者やチンピラのように演奏した
Opaque melodies that would bug most people 不明瞭なメロディは人々をいらつかせた
Music from the other side of the fence 隔離された向こう側の音楽というわけだ
A black swan figurine lay on all color lily pads 白鳥を象った黒い小さな人形が
On a little conglomeration table of pressed black felt 圧縮された黒いフェルトの小さな卓上の
With same color shadows 寄せ集めの多色の水蓮の葉に置かれ、同じ色の影を帯びていた
In seamed knobbed knees, and what-nots 皺のある突き出た膝かそのようなものの中に
The long hallway rolled out into oddball odd 長い廊下が、黒光りした格子状の街路によく似た
Beside the fly-pecked black doorway 蠅がつついた黒い戸口のそばで
That looked closed on the tar-lattice street 奇妙な形で延びていた
Up a wrought iron fire escape 鉄の非常階段の上へと転がした
Rolled out a tiny wooden platform with dark, hard, dark rubber wheels 暗く、硬い、暗いゴムの車輪のついた小型の木製の台を
Roll, skreek! コロコロ、キーッ!
Roll, skreek! コロコロ、キーッ!
Roll, skreek! コロコロ、キーッ!
Sam with the showing scalp flat top てっぺんが平らなサム
Particular about the point it made 特にそのように作られている
Sam was a basket caset! サムは宝箱の籠だった!
A hardened dark ivory clip held 固くなった暗い象牙のクリップつきの
Saleable everyday pencils 毎日よく使う鉛筆の数々
I wish I had a pair of bongos! オレは一組のボンゴがほしかった!
Bongo Fury! ボンゴの嵐!
Bongo Fury! ボンゴの嵐!
Oowwwww! Bongo Fury! ボンゴの嵐!
(Boogie!) (ブギー!)
Bongo Fury! ボンゴの嵐!
Bongo Fury ボンゴの嵐
Bongo Fury ボンゴの嵐



by uuuzen | 2026-04-14 23:59 | ●新・嵐山だより(シリーズ編)
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