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●「人間は 肉入り袋 穴空きの 衣服をまとい 紙袋持ち」
皮を 剥がずに煮るや 丹波栗 みそとせ前の 義父の手作り」、「懐かしき 味を求めて 手作りし 同じでなくも これ以上無理」、「Tシャツの 何でもありの プリントは 恐れ知らずの 無礼講主義」、「衣替え せぬは雀の 専売も 冬が来れば 厚手の下着」
●「人間は 肉入り袋 穴空きの 衣服をまとい 紙袋持ち」_d0053294_00133697.jpg 昨日載せた写真の舞妓が着るキモノは模様がよくわからない。赤い花は菊のようだが、菊なら黄色がいい。舞妓が着るキモノの文様は伝統的なものばかりで、花札に描かれる植物と同じく、記号化している。それは長年多くの絵師が描き続けている間に定まって来たもので、写実ではないが、写実以上に実物の植物らしく見える。それは記号として人々が認識しているからだ。写実に戻って各画家、各デザイナーが新たな記号化を創出しても、それらは一般人には見慣れた植物とは即座に認識されない。よほど描き手が人生の長期間を費やして繰り返し自ら考案した記号的植物を用いて作品を提出し続けない限り、一般人には浸透しにくい。それほどの盤石の地位を伝統的な植物の文様は保持している。それは誰でも自由に用いることが出来、そうして表現されたものは一定の完成度を持ったものと見てもらえるだけの包容力を持つが、当然描き手によって仕上がりの差は出るし、描き手独自の個性も発揮され得る。しかしもっと視野を広げると、また伝統的な文様を踏襲したくない場合は、伝統的記号化文様を脇に置きつつ、自分独自の解釈による新たな形すなわち斬新な記号性を持った文様を目指すことは可能であるし、そういう立場を筆者は推奨し、自らも作って来た思いはある。それはキモノに用いる文様だが、絵画としても鑑賞に堪えるものを目指すことは言うまでもない。その代表的画家が光琳であったが、光琳以降、多くの画家や意匠家を輩出しながら、光琳のような独自の、そしてきわめて簡略に描いているにもかかわらず、独自の個性を持った植物文様を超えるものはない。そういう見方が大勢を占めると、前述の舞妓が着るキモノの文様のように、昔の決まった形を繰り返し使うことに充足し、その伝統の停滞は長年を経るごとに重みを増し、もはや変えようと言う気分は湧き起らない。それが京都の伝統の強みとの意見があるが、古典をそのまま模倣し続けているだけのことで、創作とは関係がない。もっとも、伝統墨守を創作と考える向きには別で、何百年も続く老舗がもてはやされるからには、時代に応じて変えるという考えそのものが否定される。ところが京都は革新的な面があるから、傍流ではあるが、昔のままとは別に斬新な実験を許す気風もわずかにある。それが成功する確率はきわめて低いが、ある作家が存命中はそれなりにもてはやされ、狭いところで一世を風靡する場合は多々ある。そういうヒーローが登場すると必ず模倣者がたくさん出て来るので、彼らの仕事を見ていると、新しい、意味のある時代の芸術が登場したかに見える。
 以前書いたように、先月11日、家内の入院を見舞うために東京から義弟夫婦がやって来た。その時、手に提げていた紙袋に驚いた。どこで買ったものかは訊かず、また紙袋に印刷される文様が何かを言わなかったが、下町の名のない店の製品に見えた。筆者は即座に友禅染の人間国宝である森口邦彦氏のキモノをそのまま使用したものとわかったが、それだけに海賊製品かと思った。義弟夫婦はその袋から見舞いの品々をひとつずつ取り出し、袋も置いて帰ったので、今はわが家にあるが、家内が退院する日まで病室の家内専用の戸棚にあった。今日の写真はその戸棚に入った状態を撮った。森口邦彦氏とは会ったことがないが、父親の華弘のキモノは大好きで、昔は間近によく観察し、本人を何度か目にしたことがある。華弘の描く文様の代表は梅の花で、斬新な独自の境地に至った。しかし梅以外に多くの花を描いたとは言い難く、一点のキモノに用いる色も3,4色の少なさで、キモノ全体の文様として記号性を極端に進めて行き、たとえば10センチ四方を見ると、全体がわかる、言い変えれば10センチ四方の文様を繰り返して全体に適用するようなミニマリズムに進んだ。その行き着く先は花を用いず、幾何学文様となるが、その仕事を専門としたのが息子の邦彦氏で、今日の写真の文様もどういう植物を元に抽象化したかはわからない。赤と黒で染めた正方形を120度傾けて三つ突き合わせた箇所は「三菱」の変形と言ってよいが、華弘のキモノに菱の文様を描いたものがあって、それにイメージの源泉があるかもしれない。ミニマル主義は最小単位を執拗に繰り返すことだが、同じ単位の繰り返しではなく、ミニマル音楽からわかるように単位がわずかずつ変化して行く特徴もある。この紙袋の文様は、「三菱」はどこも同じ大きさだが、それをつなぐ群青色の三つのV字線は幅が次第に細くなる、逆に見れば太くなっている。そこが見どころなのだろうが、筆者はこういう製図のような幾何学文様をキモノ全体に描く辛気臭さは持ち合わせていない。花鳥風月から遠いこうしたミニマルな無機質の文様であるので、紙袋のデザインに使っても違和感はないのだろうが、筆者はこの紙袋を製作したのは田舎のデザイナーで、販売も地方に限るだろうと想像した。そこで気になって調べると即座にわかった。三越百貨店が50何年ぶりかに紙袋のデザインを変えることにし、邦彦氏のキモノからそのまま使ったのだ。キモノは人の体を包むものであるから、キモノの文様がそのままで紙袋全体に使われることにさして疑問はないが、筆者は現在のTシャツ文化の「何でもありのプリント文様」がこういう形で現われているように思える。筆者は全くTシャツ派ではなく、ジャケット下にTシャツ姿という「格好いい」格好の否定派であるので、たとえば自分が染めたキモノの文様を紙袋に使いたいという申し出があれば拒否する。

by uuuzen | 2026-02-09 22:59 | ●新・嵐山だより
●「舞妓さん 雪にはしゃいで ... >> << ●「我が家から 徒歩一分に ダ...

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