「
S級の 店に用なし 貧乏は B級グルメ たまにありつき」、「ええ人は A品を買い ええ思い ボンビーはB 狂人はC」、「慣れた店 慣れた座席で 慣れた茶を 飲み放題で 三倍は飲み」、「整然と キモノ女の 阿波踊り 男ひょっとこ 笑いを起こし」

筆者の誕生日の翌日、急に大阪に出ることにした。その日に撮った写真を使いながらの投稿は今日で4日目だ。本命は展覧会の感想だが、館内で撮った写真をまだ投稿用に加工していない。さて、上六で「熊の手のカフェ」に行った後、メトロ一日乗り放題チケットで天王寺に出た。1年ほど前に家内の次兄から、アポロ・ビルの地下に通ずるとある地下街にとても安価な居酒屋があると聞いた。家内は酒を一滴も飲まないため、居酒屋には家内とふたりだけでは入ったことがない。それで話のネタにと思ってその噂の店の暖簾だけを確認しに行った。探すには少しややこしいと聞いていたが、すぐに見つかった。店の前は5,6人に若い男女が入店を待っていて、店内は満員であった。筆者はそうした店で飲むのは苦手で、写真も撮らずに早々に地上に出た。大阪市内には同様の店がコロナ禍以降急増したように思う。昼間から酒を飲んでいる20代の男女が目立ち、また少しでも安い店に人が集まるようだ。筆者はビール党ではない。ジョッキで焼酎やジンなどの強い酒を炭酸で割って飲むこともあまり好まず、居酒屋で飲みたいとはあまり思わない。筆者がそうした店で飲むとすれば話が御馳走だ。家内相手に終日家にいるうえ、ふたりで大阪に出ると一緒に飲食店に入るから、話のネタがもうないとしてもそれはあたりまえだろうが、ネタに不自由を感じたことはない。もっぱら筆者が喋るが、もちろん家内も話す。しかし筆者は家内の話は半分以上は聞いておらず、そのことを家内はよく知っている。会話中に筆者はよくほかのことを考える。他人にはそういう素振りは見せないが、家内には平気だ。家内はそのことを侮辱と思っているはずだが、今さら仕方がない。それで家内の姉から、「郁恵の趣味はこーちゃんやな」と言われたことがある。それはさておき、ふたりで大阪に出ると最後は必ず天神橋筋商店街に行く。よく利用する中華料理店があったが、改装して味が変わり、それからはめったに入らない。その斜め向かい側にあるパン屋兼喫茶店は午後7時から食べ放題で飲み放題であったのが、コロナ以後は食べ放題がなくなった。この店については何年も前に写真つきで何度か投稿した。今は午後6時過ぎになると売れ残りのパンが半額ほどになり、2,3個買ってテーブルで紅茶とともに食べる。スリランカ紅茶専門店で、紅茶好きの筆者はさしておいしくないと思いながらも7,8種類の紅茶をいつも最低3倍飲む。自分で茶葉を選んで熱湯を注ぐのだが、冷たい紅茶やコーヒーも飲み放題で、筆者と家内はたいていいつも同じ席に座る。

先月末は店の奥でノート・パソコンを長い間操作している中年女性がいた。飲み放題で確か460円だったか、クーラーの効いた、また誰にも邪魔されずに一仕事出来る場所として重宝しているのだろう。筆者はいつも本を携帯しているが、家内を真向かいに座らせて読書することは絶対にない。そこまで家内を無視すればさすがに怒る。筆者なりに家内のことは気にしているつもりで、たぶん家内もそれに気づいているだろう。スーパーに行く以外、ふたりで出かけることは月に二度ほどだが、どういう格好で出かけるかについて、近年筆者は家内の衣服を買い、しかも何を着るべきか指定する場合が多い。ふたりの姿に調和が取れていなければ、同じ滑稽に見える老夫婦であってもさらにちぐはぐになるからで、色や形、模様をなるべく調和させる。それはさておき、コロナ以前から馴染みであったそのパン喫茶店は大阪の下町の庶民が利用するにふさわしい。壁の絵が変わった程度で、テーブルや椅子、ソファ、それに紅茶の種類が全く同じであることは落ち着く。数人の若い女性店員は年々変わり、何年も前にいた彼女らは別の世界で頑張っているだろうが、どの女性も顔を思い出せない。これはパンが食べ放題であったコロナ以前に書いたことだが、都島から30代半ばの女性3,4人が自転車で午後7時前に来店し、そのうちのひとりと食べ放題解禁の7時まで5,6分待っている間に言葉を交わした。彼女は小学3年生くらいの女の子と一緒で、何度か店に来ていると言い、どういう話の経緯か、筆者は「繊細ですね」と言われた。図星と言えばそのとおりで、彼女の夫は筆者とは正反対の体の大きい、体育会系であることを想像した。店内で彼女は友人たちと話し込み、子どもは大人の話に加わることが出来ずに退屈していた。母親は察すればいいものを、さほど繊細ではなかったことになる。しかし筆者はそういう荒いと言えばいいか、野生的な女性は好きだ。実はここ数か月でそういう若い女性と出会う機会があって、たまにその女性のことを思い出して家内に話す。家内と一緒にいる時にこれまで二度だけ会って言葉をしばし交わした。知り合ったことのないタイプの女性で、相手も筆者のことを「何者?」と訊ねた。何者でもないので返答に困ったが、今後も会えるはずで、そのうち彼女は筆者の正体がわかるだろう。パン喫茶店で寛いでいると、商店街が騒々しい。先月末日だけであったのか、素人カメラマンが目立った。おそらく天満宮に向かってか、阿波踊りがあった。紅茶はそのままに店外に出て撮ったのが今日の2枚の写真で、踊り手たちは徳島から来たはずだ。女性陣はロボットのように整然と列を作って色っぽく踊り、男はみんな自分勝手におどけながら踊って隊列は守っている。この男女の踊りの違いは阿波独自のもので、女は女らしく、男は男らしい。阿波つながりである女性を思い出したが、長くなるのでやめておく。
