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●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 レザニモヲ
G線を G弦と呼ぶ Gメンは ガバナンスとは 緩い統治と」、「聴き馴れた 曲の調べの 鮮やかさ 場所が変われば 響きも違い」、「ガード下 太鼓叩いて 弦鳴らし 変な拍子で 心は躍り」、「レザニモヲ 重荷背負うて 遠出かな ザレの言葉で 鬼も戯れ」
●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 レザニモヲ_d0053294_01355955.jpg
レザニモヲのライヴはこれまで何度か聴いたので、期待する点はどれだけ新曲が多いかということになる。以前そのことに関して厳しいことを書いた。創作を目指す場合、練習の多さはあたりまえとして、作品の多さが期待される。モーパッサンは43歳で精神病院で死に、創作活動は30歳から40歳までの10年であった。その間に短編や中編を360ほど、長編は7作、ほかにも旅行記や詩を書いた。創作家の最も活力のある時期はやはり若い頃だ。今回のライヴで筆者が語ったように、ザッパの代表曲は73,4年、つまり34,5歳頃に書かれた。そのことを改めて思いながら自分のことを考えると、本職の友禅染で年一回の全国規模の公募展で賞金百万円つきのグランプリを得たのが29歳、ザッパについて初めて書いた文章「大ザッパ大雑把論」が31歳で、自分でも意識していた30歳頃でいちおうの手応えを感じることが出来た。レザニモヲのさあやさんは現在30歳をわずかに過ぎていると思うが、最も創作力が充実して来る時期だ。生活のための資力稼ぎの問題もあるが、雑念を可能な限り省いて創作に没頭する時間を増やしてほしい。若い頃は金が乏しいのはあたりまえだ。筆者も自分を振り返ると、交通費を浮かすために歩き、食べるものを節約して制作のための材料代や資料代、展覧会巡りの費用を捻出していた。体は常に痩せ過ぎの状態で、またそういう文字どおりのハングリー状態であると、却って創作に熱中することが可能だ。そういう話を今はない寺町三条の平安画廊の主人の中島さんと話したものだが、筆者以上に凄まじい生活をものともしない画家がいくらでもいることを知って驚いた。モーパッサンの小説にも書かれるように、画家は貧乏があたりまえで、絵が安い間に画商は将来を見込んで買い集める。アンブロワーズ・ヴォラールはその代表だが、彼のような画商がいたお蔭で無名になった可能性の大きい画家が何人も世界的名声を得た。そう考えるとマネージャーの存在を大きさを思う。ザッパの場合、64年のデビューから10年ほど、つまりザッパが名作を確立した時期まではマネージャーのハーブ・コーエンと仲がよく、ザッパは金のことをさほど考える必要なしに創作に没入出来たから、運がよかった。しかし才能と運はある程度は比例するものだ。運命的な人との出会いは伸びて行こうと真剣に思っている才能には必ず現われる。そうしたことを何年か前に金森さんに話すと、メジャーになりたい意欲のあるミュージシャンばかりとは限らないと言われた。なるほどそのとおりで、レザニモヲも現在の活動で充分満足しているかもしれない。
●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 レザニモヲ_d0053294_01361914.jpg
 さあやさんは音楽コンテストには関心がなさそうで、芸術は点数をつけて上下は決められないと言った。確かにそうだが、審査員が人生経験豊富で、また審査する芸術分野に造詣が深い有名人であることは普通にある。そうした経験豊かな人の意見も当てにならないと否定して創作を続ける態度はもちろんあるが、受賞して自信をつけることは出来るし、自己を客観視するにはいい機会だ。それに知り合いがたくさん出来る可能性も大きい。昨日少し書いたように、読者の中には書き手の思いをそれ以上に受け取る人がいる。そのように考えることは強い自惚れを避ける手立てになると同時に自作が自分が知らない場所で喜ばれているという思いを抱くことにもなる。音楽コンテストがどれほどあるのか知らないが、作品をより広く世間に知ってもらうのはそうした公募に出場するのはよい。さて、筆者が初めてレザニモヲのライヴを見た後、彼らはザッパのカヴァー演奏をするザッパニモヲを組織した。そちらの活動が増えた分、音楽活動はより多彩になり、また多忙になった。ザッパニモヲは他のメンバーを数人加えての演奏である分、レザニモヲの息のよく合った、それゆえにさほど練習も要さない演奏とは違って、おそらく遠慮や気配りが必要となって、さあやさんとドラムスのくろみさんがどれほど満足の行くライヴになっているかは本人たちから直接耳にしていないので想像するしかないが、レパートリーを毎年確実に増やし続けてその勢いは今後も期待出来る。さあやさんは鍵盤楽器を除けばマリンバをまず手がけ、その後は打楽器を学び、2,3年前からはチャップマンスティックも購入してたちまちその演奏技術を習得した。そう考えると、レザニモヲの本質的な部分はさあやさんが背負い、ドラムスのくろみさんは背後に控えている感じがある。だが、ふたりともロック志向が強く、特にドラムの音は爆音と形容してよい。これも何年も前にさあやさんに意見したが、ドラムは大音量である必要のない場合があって、小柄で繊細なさあやさんの演奏をより引き立てるためには、ドラマーとしてもっと工夫してよいと思っている。ザッパニモヲの演奏ではさあやさんはザッパの難曲「ブラック・ページ」をソロで、またアレンジして演奏して来ているが、レザニモヲでも同様に、時にはさあやさんのソロで充分ではないかと思う曲がある。1時間のライヴとして、そこに目立った起伏がほしいからだが、その意味では昨日書いたキング・クリムゾンは激しい曲と静かな曲がアルバムにうまく混在し、全体としてドラマ性をよく意図している。もちろんそのことはレザニモヲのライヴでも意図され、今回演奏されたヨナ抜き調の「少年」や「美術館」はライヴ全体で起伏の構築に貢献している。それでもさらにと考えれば、さあやさんと同じくらいにくろみさんの演奏に多彩さがほしい。くろみさんはザッパニモヲの演奏のほうが楽しいのだろう。
●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 レザニモヲ_d0053294_01364319.jpg
 今回会場となった大阪中津のVi-Codeで松本さんはライヴが始まる前に話してくれたが、音響が素晴らしいとのことであった。そのことはキャプテン・チキンハートの演奏で実感出来た。レザニモヲの番になってその点に意識に上らなかったのはなぜだろう。さあやさんの小型のキーボードが演奏途中で故障したのか、舞台上で係員の手助けを受けながらもそれが回復しなかったことや、また筆者が初めて聴くアフリカに因んだ2曲が演奏されたことなどによって、音響のよさにまで意識が及ばなかったのだろう。それに最初の曲「天国の動物たち」がいきなりさあやさんの激しい身振りと歌、それにくろみさんのドラミングで、微妙な音色の効果をさほど意識したものでなかったからか。何が言いたいかと言えば、大音量の中にも微妙な響きがあまり意図されていなかったのではないかということだ。そう考えると、やはり幾分かはさあやさんの独奏曲があってよいと思い至る。そう考える理由がある。これは今月10日のザッパニモヲの演奏時にサックス奏者の登さんと話したことだが、レザニモヲのライヴハウス以外の場所での演奏の可能性を筆者は何年も前から夢想している。嵐山にはそういう場所があるが、ギャラの問題と、場所を貸してくれる人の音楽の趣味にかなうかどうかも考慮しなければならない。たとえばレザニモヲの演奏を小中学校の講堂で特別授業として実現出来ないかと思うが、それには全曲がドラミングの大音量では眉をしかめる人は少なくないはずで、繊細さと爆発的活力のバランスがほしい。レザニモヲは子どもには聴かせたくないと思っているかもしれず、そうであれば現状維持でライヴハウスでの演奏を続けるしかないが、何かの突破口のような演奏会から創作や演奏活動が変化する場合もある。また筆者のことを言えば、友禅染でキモノばかり染めていた頃、学生時代の教授から屏風を依頼された。そうなれば広幅の生地を使って染めた後は表具屋に仕立ててもらう必要があり、そのことがあって自分で裏打ちをすることや屏風や掛軸の仕組みを学ぶことが出来た。人の出合いが新たな活動と広い視野の獲得につながる。そう考えない限り、創作の進展は望めない。それはともかく、やはりさあやさんにはどんどん新曲を書いてほしい。それには刺激が必要だ。またそれには人との出合いが求められる。ルーパーを使ったアルペジオを伴奏とするレザニモヲらしい楽曲の充実の一方、「少年」や「美術館」に連なる歌唱つきの曲はもっと書かれるべきだ。またそのこととザッパニモヲとしての活動がどのように影響し合うかという興味深さもある。ザッパの曲を演奏しながら、模倣ではないさあやさん独自の、そして特に詩の才能の開花を期待している。さあやさんは普段の顔とステージのそれとは全く違い、後者では舞う巫女のように何かが憑依したかのように美しい。その姿をどうにかして子どもたちに見せたい。

by uuuzen | 2025-05-27 01:37 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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