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●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 CAPTAIN CHICKENHEART
出して 識別されぬ 凡人は AI困り どうぞお好きに」、「チキンでも 元をたどれば 恐竜ぞ 龍尾よりかは 鶏頭がよし」、「山分けの 遺産当てにし 早死にす 親に遺した 金の悲しさ」、「退屈は させぬと言いし 察せぬは 売れぬホストの 自慢の話」
●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 CAPTAIN CHICKENHEART_d0053294_17502495.jpg 昨日触れた松本さんからキャプテン・チキンハート(以下、CCと略す)というバンドがあって、ライヴ企画をしたいと聞いたのは2年前のことだ。ザッパの少年時代からの友人で、またザッパが渾名をつけたミュージシャンの「キャプテン・ビーフハート」をもじったその名前からして、ビーフハートあるいはザッパのカヴァー・バンドかと思ったが、松本さんはそれを否定した。ビーフをチキンと言い変えるのは謙遜がうかがえて微笑ましいが、CCのファンはビーフハートの音楽性をどれほど知っているであろう。CCは東京在住と聞いたので、大阪に呼ぶことがどう実現するのかと思っていたところ、バンドの3人のうちギタリストのみが大阪在住であることを今回知った。彼らの演奏をYouTubeで検索していないが、同じ最前列のテーブルに陣取って演奏を録画した池島さんによれば、カヴァー曲は今はYouTubeではAIが弾くようで、今回のチキンハートの演奏も仮に彼らが投稿許可を出しても全部がYouTubeでは公開されない可能性があるとのことだ。筆者は写真を撮っただけで録音していないので、曲名も含めてどの曲がカヴァーでオリジナルかは調べようがない。つまり一度聴いただけの感想を書く。松本さんからはギタリストがかなりのテクニシャンと聞いていた。それは想像を超えたものであった。というのはバンド名からしてキャプテン・ビーフハートの曲にあるギター演奏が念頭にあったからだが、音楽性はビーフハートとは全く関係がない。そもそもビーフハートの曲の持ち味は彼の歌唱力にある。その摩訶不思議な詩も他のロック・ミュージシャンの誰も書かないようなものだ。とはいえ、出鱈目な言葉を無闇につないでいるというものではない。その反対に色彩豊かな絵画を何枚も見るような視覚性に優れている。ところで、筆者は自宅裏庭で白い小さな薔薇のVirgo種を鉢植えで育てていて、つい先日三つの可愛らしい花が咲いた。いつものように写真を撮ったが、本ブログの投稿は滞る一方で、去年撮った同じ花の写真も何枚もため込んだままだ。その薔薇の花の写真の投稿時には必ずビーフハートの曲の歌詞の対訳を載せることにしたのに、5,6曲程度で中断した状態だ。その5,6曲はビーフハートで筆者がすぐに思い出す好きな曲で、それらわずか数曲の歌詞からでもビーフハートの繊細さがわかる。それは詩人としては当然のことで、ビーフハートの詩は自然派といったところだが、自然と人間の対峙をさまざまに凝視していた。ザッパには自然を称える詩はなく、もっぱら部屋にこもって創作に熱中することを好んだ。
●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 CAPTAIN CHICKENHEART_d0053294_17510546.jpg 昨日触れたように、プログレッシヴ・ロックはイギリス主導で、ビートルズの解散が噂された60年代末期に日本のラジオでよく紹介されるようになった。ただし2分半のシングル盤に収まるようなポップ曲を指向せず、ピンク・フロイドの『原子心母』のようにアルバム全体で聴かせようとする姿勢から、ラジオで取り上げられる機会は少なかった。もっとも、その頃になるとビートルズの「ヘイ・ジュード」のようにシングル盤では通常の倍以上の長い曲を発表する常識外れが登場し、日本のロック・ファンはアルバム1枚で1曲と捉えるような、言い変えれば作り手の芸術性を喜ぶようになった。その先鞭をつけたのもビートルズと言ってよいが、同じイギリスからピンク・フロイドやキング・クリムゾンなど、アルバム単位で作品とみなすグループが登場してファンをつかんで行った。当時LPの価格は2000円で、それは10代後半の青少年にとっては高額で、経済的に恵まれた家庭でなければ次々に発売されるそうしたバンドのアルバムを購入することは不可能であった。したがって、コスパではないが、いかに限られた金でどのバンドのアルバムを買うかは一種の賭けで、またそれに負けたと思いたくない心理が働いて、溝が擦り切れるまで何度も聴き返し、そのことでなおさらそのバンドのファンになった。そしてどの青年も蛸壺に入った状態で、神のように天空からの眼差しを持つことはほとんど不可能であったし、またそこには世代の差も影響した。筆者が2,3歳早くか遅く生まれていれば、ビートルズからやがてザッパの心酔することはなかった可能性が大で、当時の2,3年は大きい。それほどに目まぐるしくさまざまなバンドが登場した。筆者が同時代的にイギリスのバンドとしてアルバムを買い続けたのはほとんどジェスロ・タルのみで、キング・クリムゾンにはほとんど縁がなかった。ごくたまにCD(LPは所有していない)を取り出して聴きはするが、霧や靄を連想し、その怪奇性が混じったロマン主義の雰囲気はわかりはするものの、夢中になれないでいる。しかし前述のように2,3歳若ければ、幸運な出会いがあったかもしれない。そこで思うのはCCやそのファンのような若い世代がどのようにキング・クリムゾンに開眼したかだ。今はCDがあまり売れず、音楽は無料でネットで聴くことが普通になって、興味さえあれば百科事典を即座に繙くように未知の音楽に触れ得るし、ミュージシャンであれば先輩の影響が大きいだろう。CCの音楽性がどのような経緯で育って来たのか、それは知らないが、今回のライヴではキング・クリムゾンの「21世紀の精神異常者」が演奏され、クリムゾン好きであることはわかる。またギタリストが「次はクリスタル・キングの「大都会」を…」などと冗談で語ったが、その発言からは日本のロック・バンドも視野にあることがわかる。さらにはUKの曲もカヴァーした。
●『THANKSGIVING FOR PROG 2025』 CAPTAIN CHICKENHEART_d0053294_17513672.jpg CCのギタリストはアフロヘアの鬘を被り、ヴォーカルも担当した。ロバート・フリップ以上の速弾きと言ってよく、スティーヴ・ヴァイとまでは言わないが、優れた演奏技術にまず驚嘆させられた。それは練習の賜物以外ではあり得ず、3人の息の合った演奏で終始突っ走った印象があり、カヴァー曲とオリジナル曲の差はよくわからなかった。それはカヴァー演奏をCC流に咀嚼しているからで、またそれはギター・ソロの個性に負う。イギリスのプログレは短調で始まって長調で終わる場合が多いとの発言もあって、そこにうかがえる分析眼はオリジナルの作曲に活かされているのだろう。つまり、6,70年代から半世紀を経た今、プログレから何をどう取捨選択するかの方法論が醒めた意識によって随分たやすくなったし、CCはそのバンド名が示すようにアメリカの急進的ないし型に嵌らないロック・バンドにも視野を広げて学んでいるだろう。演奏後の語りでザッパに因んだ曲が演奏されたこともわかったが、その曲の何がザッパらしいのかもう一度聴かねばわからない。そう言えばイギリスのギタリストのフレッド・フリスがジョン・ゾーンのTZADIKから出したアルバムに、ザッパに捧げた大曲があるが、それもその断りを読まねばザッパを意識して書かれた曲であることはわからない。フリスが同曲で行なったことは、ザッパの作曲の方法論の応用で、簡単に言えばモチーフの自在な組み合わせだ。したがってザッパのギター・ソロの個性を期待する向きには面白くない曲と言ってよい。同じことはCCのギタリストにも言えるだろう。ザッパのギター・ソロを模倣して演奏することがどれほど可能であるかは知らないが、模倣に限りなく努めても自ずと演奏者の個性は滲み出る。その伝で言えばCCのギターは速弾きながらヴァイとは全然違ったもので、独自の境地にある。筆者はヴァイの曲はブルース・コードを使ったものが好きで、それ以外の曲は技術には感心しても今ではほとんど聴く気がない。一方、ジョー・サトリアーニの演奏はその逆で、ブルースは面白くなく、それ以外のオリジナル曲に名品が多い。CCはその意味からすればサトリアーニに近いが、やはり全然違う持ち味がある。それがブリティッシュ・ロックに学んだものかどうかは、筆者の乏しい知識からはわからない。その速弾きが長年の絶えざる練習あってのものとして、どこからどこまでが即興であるのか、あるいは毎回同じメロディを奏でるのかもわからないが、猛烈に疾駆する曲の連続に聴き耳を立て続けていると、CCが主張したいことは、言い変えれば好みはひとつではないかと思えた。それは模倣を通じて育んだ創作だが、CCはその完成の域に達しているはずで、ロバート・フリップがその後たどったような大幅な変化を見せるのかどうかとなれば、ベースとドラムの3人編成を持続させる限りは現状から外れることはないだろう。

by uuuzen | 2025-05-26 17:55 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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