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●京都河原町三条「DEWEY」にて、『ザッパニモヲ・マザーズデイ・ライヴ』
物を 仕舞いて夏の シャツ・アロハ 上半身の 刺青見せて」、「畸人とは 役に立つこと 考えず コスパとタイパ 無視して笑い」、「白拍子 舞て踊るや 変拍子 人気者へと とんとん拍子」、「キリギリス ギリギリ生きて ギスギスに されどキリリと 凛々しき姿」
●京都河原町三条「DEWEY」にて、『ザッパニモヲ・マザーズデイ・ライヴ』_d0053294_14384169.jpg
レザニモヲはハロウィーンをもじって秋のザッパ・カヴァー・ライヴをザッパロウィンと呼ぶことにし、その際、他のメンバーを集めてバンド名をザッパニモヲとした。また去年に続いて2回目となった今月10日の「母の日」のライヴは、ザッパニモヲ単独の演奏披露であり、途中休憩を挟んで前後合わせて2時間ほどの長丁場の演奏となった。そのため、ザッパニモヲの本領を聴くには「母の日」に因んだライヴの方がザッパロウィンよりも楽しめる。ザッパは生前に60ほど、没後30年ほどを経た現在は130ほどのアルバムが世に出ていて、同じ曲でも異なるメンバーによる異なるアレンジとなっている場合がほとんどであるから、一口にカヴァー演奏と言っても範とする元の曲は大量にある。それゆえカヴァーする人はかなり自在にアレンジの出来る余地、そして楽しみがあるし、もちろん聴き手にもその工夫の跡を知る楽しみがある。クラシック音楽は楽譜どおりに演奏することがもっぱらだが、指揮者によっては作曲家が書いた楽譜を大胆に変えて演奏させる場合もあって、その賛否はいろいろ問われて来ている。楽譜に完全に忠実に演奏すべしとなればシンクラヴィアなどのコンピュータに演奏させればいいという話になるが、実際はそうした楽器では味気ないことを誰もが知っていて、結局のところ楽譜があっても演奏はさまざまである現実を人々は面白いと考えている。ストラヴィンスキーは自作曲を指揮した時、楽譜に忠実であることをモットーにしたが、同じ意思を持ってストラヴィンスキーの楽譜のミスを本人に指摘して訂正を得たうえでストラヴィンスキーの曲を指揮したピエール・ブーレーズの演奏は、ストラヴィンスキーとはまた違って精緻な味わいがあって、楽譜に忠実を心がけながらも指揮者によって異なる印象の演奏がもたされる。これはあたりまえのことで、クラシック音楽ファンはその些細ではあるが、見方によれば大きく異なる演奏の味わいの差を識別する楽しみを持っている。ザッパは時に楽譜に書いたが、ジャズのように即興演奏を中心としたから、同じ時期の同じ曲の演奏でも毎回違ったと言ってよく、それで没後にそうした演奏を収めたアルバムが毎年発売される。最良のテイクは生前にザッパが発売済みかと言えば、そうとは言い切れない面があって、熱心なザッパ・ファンはアルバムを欠かさずに買う。YouTubeが登場してからは海賊版のLPやCDは影を潜めたので、金を使わずに済むようになったが、大量の音源を聴く時間が見つけられず、ザッパの未知の音源には公式発売以外は食傷気味になっている。
●京都河原町三条「DEWEY」にて、『ザッパニモヲ・マザーズデイ・ライヴ』_d0053294_14390791.jpg
 ザッパの最晩年にドイツのファンがザッパナーレというカヴァー演奏のお祭りを毎年開催し始め、それが現在まで続いているが、日本独自でそうした演奏会が開催されないものかという期待に応えてくれたのがレザニモヲだ。彼らの呼びかけに賛同してバンドが結成され、メンバーの若干の入れ替えはあるものの、毎年京都でザッパロウィンが秋に開催されるようになった。さあやさんによれば、年一度のライヴでちょうどいい加減とのことで、「母の日」に単独で演奏することは過酷だそうだが、過酷は承知で練習を重ねればそれだけレパートリーが増え、演奏能力は上がる。年一度では実力の保持で精一杯ではないだろうか。昨日書いたように、ザッパは自己にも極端な練習を強いた。一世紀にひとり出るかどうかというほどの天才であれば膨大な練習とは無関係に歴史に名を残す作品を生み出すが、人よりかなり抜きん出た才能のある、また誰よりも目立つ「華」のある表現者であっても、まず求められるのは練習量の多さだ。ザッパはメンバーを雇っていたので、ボスであるザッパの思いにかなう演奏を披露するには過酷な練習をすることは当然であったが、ザッパニモヲはザッパ好きが集まってのバンドで、また客入りは会場の大きさからしてわずか期待出来ず、いわゆるモチベーションをどこに置くかという問題があることは容易に想像出来る。筆者は毎回呼ばれて適当なことを話せばいいが、合奏する演奏者は一堂に介しての練習が必要で、そのための費用と気力をどう保つかの問題がある。となれば少しでも大きな会場で演奏して収入増加を図るしかない気がするが、昨日書いたようにザッパ曲のカヴァー演奏を楽しみにする人は変わり者で、世間に多くはいない。ならばザッパ・ファンが多く集まるザッパナーレに出演するかという考えに至りもするが、渡欧費用を誰かが負担しなければ土台無理な話で、そのことはザッパナーレに出演するバンドがクラウドファウンディングに頼ることがある現実が示している。ヨーロッパが無理ならば東京ではどうかという考えが浮かぶが、せめてホテル代と新幹線代が賄える客数の動員が必要だ。これがチラシ配布を含め、SNSなどの素人個人の宣伝だけで実現するかどうかは大いなる賭けで、現在のところザッパニモヲは京都のみでの演奏に留まっている。京都は東京にはない持ち味があって、ザッパニモヲが京都に限って演奏することは見方によれば強みになると思うが、それにはやはり春と秋以外に、しかも別の場所で演奏を積み重ねて行くことを狙うしかないだろう。演奏ごとにレパートリーを増やし、実力が高まって来ているからには、より多くの人に聴いてもらう方策に対しても気配りすべきだが、メンバー全員が他に仕事を持っている状態でのザッパニモヲであって、現状維持されているだけでも特異なことと言わねばならない。
●京都河原町三条「DEWEY」にて、『ザッパニモヲ・マザーズデイ・ライヴ』_d0053294_14393841.jpg 今回の演奏は前後とアンコールを合わせて23曲で、メドレー曲を分けると25曲になる。またヴォーカルを含まない曲ではJoeは舞台から降りるなどして、常に7人全員の演奏でないことはいつもと同じだ。またそうした部分メンバーによる演奏を挟むことでライヴ全体が変化に富むものとなっていることは、そもそもザッパ曲の本質を体現していて、悪く言えば「捉えどころのなさ」だが、よく言えば「多種多用」「変幻自在」が味わえる。部分メンバーによる演奏はそのメンバーだけの練習と力量に負うから、息さえ合えば、そして楽譜が念頭にあれば、比較的練習はしやすいであろうし、その点でさあやさんと東京ザッパラスのイマケンさんのふたりは大いに気の合った白熱ぶりを見せた。7人全員がそれぞれ実力者であることは言うを俟たないとして、やはりさあやさんの存在は大きく、彼女がぜひとも演奏したい曲が少しずつレパートリーになって来ていると想像する。今回その代表曲は前半の最後近くに演奏された「エキドナのアーフ」だ。これは73年のザッパの器楽曲の代表としてよい。それは「リダンズル」や「デュプリーの極楽」のように主題が短くて大半がメンバーの即興ソロという曲とは違って、曲の大半が楽譜に書かれ、それをユニゾンでしかも素早く演奏する必要がある。また打楽器の活躍が目立ち、この途轍もなく明るさに満ちた曲をさあやさんが演奏したがったとして、それはよくわかる話だ。しかし一方で他のメンバーにこの曲の披露を提示した時の反応がどうであったかの興味深い疑問もある。結果的にギターを含め、よくぞ練習したなという仕上がりであった。ザッパの黄金時代と言ってよい73,4年のレパートリーの多くをザッパニモヲが手掛けて来ていることの努力と心酔ぶりに、ザッパの音楽を知っている人にはぜひとも一度はライヴに接してほしい。ところで、ザッパのライヴはギタリストであるザッパの出番がファンの期待するものになっていて、73,4年でもそうであったものの、後年ザッパのソロ・ギターの占める重要度が増して行くことに比べればまだ当時はメンバー全員の持ち味がバランスよく発揮されていた。その意味でザッパニモヲのギタリストがザッパのように長大なソロを聴かせなくても7人のアンサンブルを楽しめばよい。またザッパが用いた旋法を猛烈に練習してザッパ風のソロをものに出来たとして、それが面白いもの、すなわち個性的なものとなるかどうかはわからない。自己の内部で何を見つめて発酵させ、それを他者に披露出来るまでの自信を獲得するかは、また繰り返しになるが、信奉する存在を内面に抱えたうえで猛烈な練習が前提になり、その成果を人前に提出し続けるしかない。それは恥を曝すことでもあるが、恥を自覚することは上達の見込みがある。この言葉は筆者自身に向けてのものでもあって、即興の綴りはここで終える。

by uuuzen | 2025-05-14 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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