「
彼方から ボタンひとつで モノ届く おっとそれには 金あってこそ」、「物価高 子どもの菓子も 値上げされ 百円超えの おっとっとかな」、「シンプルが 複雑になり 意味不明 その面白さ あるは複雑」、「スーパーに 行けば気になる おっとっと 新パッケージ 今日も見られず」

スーパーなどで食材を買うついでに菓子のコーナーにも目を配る。家内はポテトチップスが大好きなので筆者の知らない間に籠に放り込んでいる。最も好きな菓子は海老満月だが、量の割りには高いのでめったに買わない。筆者は菓子では塩っぽいものより甘いものが好きで、「おっとっと」の新作を棚に見つければ即座に買い物籠に入れるが、菓子の味には興味がない。それでチョコレートをコーティングした新ヴァージョンが発売されればと思うが、森永製菓はそのことを企画に挙げているだろうか。「おっとっと」には3種類の味があると思うが、甘い味にするには製作段階での難しいハードルがあるのかもしれない。3種の味と恐竜やポケモンなどの種々の新しいキャラクターの形を組み合わせると、新作を発売する頻度に困ることはないようなので、今後も4か月か半年程度の間隔を置いて新作が店に並ぶだろうが、以前に書いたように、幼児用袋入り商品のみにトミカの自動車模型とタイアップした形の菓子が含まれ、ある程度購入年代に合わせて菓子の形のキャラクターを作っているが、となれば大人向きの激辛やチョコレート味の商品が売られてもよい。とはいえ、筆者の「おっとっと」に対する興味は新作のパーケージのデザインと新しい形のキャラクターにあって、もっと言えば後者においては日本には特に顕著な記号文化の現在性と限界性を探ることに関心がある。さらに言えば幼児や子どもが物の記号性を学ぶ現実において「おっとっと」の菓子の形が果たす役割で、それがたとえば恐竜やポケモンのキャラクターを菓子の外形として記号化する際、記号がますます複雑化して恐竜やポケモンのかなりのファンでない限りは判別しにくくなっていることだ。つまり「おっとっと」はますます隙間商品になって来ている。これは「おたく」文化の低年齢化に参与、あるいは呼応していて、ロラン・バルトが生きていれば記号論ないし記号学をどのように展開するかと思う。それはともかく、複雑化する「おっとっと」の新シリーズに含まれる新しい形の菓子は筆者には判別出来ず、その意味で無関心を誘引し、また前述のように塩っぽい菓子をあまり好まないこともあって、買ったものの2,3か月は放置することがほとんどだ。新作を見かけると必ず買いはするが、「飛び出しボーヤ」や蘇鉄ほどには熱意が湧かない。最近は幼児用の袋入りの商品を携帯して出かけ、バスや電車の中で幼児を見かけると笑顔で手わたしたいと思うが、変な爺が笑顔で袋入りの「おっとっと」を差し出すと子どもは怖がる可能性が大で、結局買っても自分で食べる。

