「
市バスから 地下鉄に乗り 徒歩一里 今こそ読むと 図書館目指し」、「地図を見て 未知の道行く ミニ散歩 目につくものに 満ちるを期待」、「気がかりを 長年保ち 解消す 身を動かして 心は晴れて」、「寄り道を 続けつ目指す 場所あれど そこも通過し 寄り道と知る」

10日前、ひとりで伏見の京都教育大学の図書館に行った。30年ほど前に家内と一緒に伏見人形の講座で同大学に訪れたことがあり、それ以来のことだ。阪急で四条河原町に出てから京阪に乗り換えて藤森かひとつ大阪寄りの墨染駅まで行くのが最も早いが、京都市バスと地下鉄で使える敬老乗車証を2年前から毎年購入しているので、なるべくそれを使う。月一度の利用ならば元は取れる計算だが、一度も利用しない月がある。「風風の湯」の常連のYさんは2年前に不動産を売却し、多額の税金を払ったとのことだが、毎年敬老乗車証を申し込んでいるのでその年もそうしたところ、5万円近く徴収されたと言う。その話を聞いた嵯峨のFさんは、「毎日乗るんやたっらええけど、週一回程度やったら損やろ。金の計算が全然出来へんなあ」と呆れた。Yさんは手っ取り早く阪急電車に乗ることが多いので、なおさら敬老乗車証は無駄だが、Yさんのような人が市の税収に協力している。さて、嵐山から教育大に行くのに阪急と京阪を使う以外に方法はないかと地図を調べた。市バスで京都駅に出てから地下鉄に乗り換え、まず竹田駅に行く。そこから東方にほぼ一直線で2キロほどで、わが家から教育大まで片道1時間半だ。阪急と京阪を使う場合の倍だだろう。竹田駅に降り立ったことは一度もないが、息子が伏見桃山に住んでいた頃、たまに京都駅から市バスで伏見に行き、その時はバスは必ず竹田駅に立ち寄ったので、駅周辺の雰囲気は知っている。教育大までは殺風景な田舎道のはずだが、西国街道歩きと似た気分で春の日差しの中を歩くのはよい。時間はたっぷりある。それで地図を印刷し、それを片手に歩くことにした。歩いた道筋を示すのが最初に掲げる地図で、左端のアルファベットのAは竹田駅、右端のHは教育大の図書館だ。この青い線を往復した。4キロほどはぶらり散歩にちょうどよい。嵯峨のスーパーに行く時はもっと歩くから、4キロでは運動というほどでもない。不思議なことに往復ともほとんど人と擦れ違わなかった。西国街道歩きでもだいたいそうで、昼間でそうであれば夜はもっとそうだ。歩く人の姿がほとんどなければ、筆者のようなよそ者は地元住民に目立つので、あまり変な格好では歩かないように気をつける。また当日は大学の図書館での読書が目的で、買い物のために寄り道はしない。司書に好印象を与えたい思いはないが、最低限悪印象を与えないというのは大人の常識だ。そう考えてネクタイは締めなかったが、それなりにかっちりとした服で出かけた。図書館で読んだ本については後日書く。

今日の地図の他のアルファベットの地点の説明をするのに2回の投稿を予定している。つまり今日を含めて今月9日の経験は計4回の投稿になる。その最初として今日は予告編として地図を載せることが主な目的と言ってよいが、気になったことを書いておく。藤森神社だ。印刷した地図に歩く道を記しながら、読書後の帰りに大学のすぐ近くにある同神社にお詣りしようと思った。ところが鳥居が簡単に見つかると思っていたのに、どこにあるのかわからなかった。今日の地図の右端に水色で塗られた長方形と楕円形が教育大だ。図書館はその南にある。地図の青線を東に辿って行くと大学の西門のG地点に至る。そこからL字を描くように南、そして東に行くと校舎を見ぬままに図書館の玄関前のHに着く。今日の最初の写真の右端の建物が図書館で、帰り際に撮った。大きな木々に囲まれた時計台は4時12分を指している。筆者が館内にいたのは1時間半ほどだ。同大学の正門から入るならば、校内の南端まで歩くことになる。西門から入るとすぐに南に150メートルほど、駐車場と駐輪場を兼ねた空き地を歩き、そして図書館前の広い道に出るので、そこから150メートル東が図書館だ。帰宅してグーグルのストリート・ヴューで藤森神社の鳥居の位置を調べると、今日の地図のF地点から南100メートルほどに鳥居がある。地図で言えばFから南の赤い線だが、そこは歩かなかった。その南北の道は伏見稲荷大社前の伏見街道で、地図では奈良街道、大和街道とも書かれる。伏見街道は好きだが、JR伏見稲荷駅から南には歩いたことがない。藤森神社前から南下すると途中で奈良街道は幅の広い国道になり、そして御香宮神社に至る。丹波橋からその国道を御香宮まで歩いたことが一度あるが、藤森神社には訪れたことがない。せっかくの機会であったのに、教育大から同神社に入る道がわからなかった。今日の地図のFからGに至る道では南側に石の玉垣があって、同神社の境内がその先であることはわかったが、神社への出入り口はなかった。Fが伏見街道上にあるとなれば、伏見稲荷大社前の同街道を南下して同神社に訪れるのもよい。同大社前はコロナ前から外国人観光客で溢れ返っているが、藤森神社を訪れる人は少ないだろう。今日の2枚目の写真は帰り道で撮った。地図のEすなわち京阪電車の踏切から少し西で、満開のツツジが西日を受けていた。その西日に照らされながら竹田駅に向かい、往路で立ち止まった場所でまた立ち止まり、写真を撮った。特別に目につくものはさして多くなかったが、住所表示を見て昔から存在を知る深草の西浦町がここにあったかと納得した。昔西院からタクシーに乗って帰宅するのに、運転手に「西裏町まで」と伝えたところ、深草にも同じ町名があることを教えられた。梅津の西裏町と深草の西浦町はともに京都市内の周辺部の下町だ。

